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BRUTUS 809号:服に愛。

BRUTUS No. 809

アラーキーこと荒木経惟さんのセルフポートレートから今号は始まります。荒木さんは、自身の作品をプリントしたTシャツとサスペンダーという、いつものスタイル。作品であり、衣服でもある、そのTシャツを撮影のときはもちろんプライベートな時間でも身に纏います。“1枚”に愛情を持って寄り添います。およそ10年もの間、スタイルを崩すことのない荒木さんは取材の後に筆を執りました。

「服に愛」。天才・アラーキーがしたためた3文字が、2015-16 A/Wスタイルブックのテーマです。今号は服への愛情に溢れています。
垂水ゲンさん(聖林公司・代表取締役)、ソニア・パークさん(〈ARTS&SCIENCE〉オーナー兼クリエイティブディレクター)、斉藤久夫さん(ファッションデザイナー)・圭吾さん(写真家)親子、加瀬亮さん(俳優)、信國太志さん(テーラー、デザイナー)……着る人、作る人、立場は違えどたくさんの人たちの好きな服、愛してやまない1着について話を聞きました。もちろん、今号には今季を彩る各ブランドのアイテムが並びます。

LOVE beyond FASHION。流行とか理屈ではなく、単純に好きな服、どうしても手放せない服は“スタイル”をつくります。そして、その一着に出逢えることは幸せなこと。今号に登場する彼らの姿や言葉が教えてくれるのです。



CONTENTS

荒木経惟と一枚のTシャツ。

特集
STYLEBOOK 2015-16 A/W LOVE BEYOND FASHION
服に愛。

手放せない服。

刺繡に込めた思い。

メゾン マルジェラの再構築服。

至極シャツ誕生話。

永遠の男子服。

ニットの楽しみ。

私とアクセサリー。

好きな靴の話。

一生を服に捧げた男。

スタイリストが愛してやまない、とっておきのお店。

6 men who love…

BREAKS AND BEATS

BBB SP

The only study of Men’s Haute Couture ~VALENTINO~

HONEST CREATION ~visvim~

journey in time ~BALLY~

6大ブランドロケ
Great Peaks of Switzerland

連載小説「ドルフィン・ソングを救え!」第十八回 著・樋口毅宏

 

…and more!


From Editors 1

田中 泯さんの「場踊り」を
目の当たりにする幸せ。

アラーキーからドリス・ヴァン・ノッテンまで、服を愛する様々な人に話を聞いた今回のファッション特集、「服に愛」。人選の振り幅はいつも以上に大きいけど、話が面白いのだから細かいことは気にせずに。駆け出しの編集者時代に「会いたい人に会えるのが編集者の醍醐味だよ」とよく先輩から聞かされたものだが、その意味を改めて噛み締めた1冊である。
 
インタビューではなく、スタイリングのページで嬉しい出会いがあった。舞踏家の田中 泯(たなか みん)さん。最近はNHK朝の連続テレビ小説「まれ」で俳優としての姿が記憶に新しいかもしれない。写真家の平間 至さんがライフワークとして田中さんを撮り続けているが、鬼気迫る「場踊り」の写真からは、近付き難いオーラが溢れていた。そして、いつかあの動きをこの目で見たいと、ずっと思っていた。
 
登場いただいたのは〈rag&bone〉のページ。今シーズンのイメージムービー(*)にヒントを得て、田中さんに服を着て踊ってもらうという企画をたてたのだ。問題はカメラマン。近年では、アニー・リー・ボヴィッツと平間 至さんくらいしか撮影の許可を出していないはずだ。そこで気鋭の若手写真家、小浪次郎さんの写真集「父を見る」を田中さんに届けたところ、「この人の写真ならば」とOKの返事。
 
「場所で踊るのではなく、場所を踊る」のが田中さんの考える場踊り。当日、服を着てスタンバイした田中さんは、30秒くらい「場」を感じたあと、即興で踊りに入っていった。動きながら、間を取りながらシャッターを切っていく小浪次郎さん。猛暑の中の撮影にもかかわらず、見ているだけで全身に鳥肌が立った。本誌のページを見ていただければ、場の空気が少し伝わるかもしれません。

*ミハイル・バリシニコフ(バレエ)と、リル・バック(ストリートダンス)が〈rag&bone〉の服を着て踊るムービー。これがまた格好いい。https://www.youtube.com/watch?v=2rFRTyfwBH8

 
●鮎川隆史(本誌担当編集)



From Editors 2

信國大志だけが知る、
マックイーンの二つの顔とは。

今年6月にロンドンコレクションの取材に出かけた。在住の人たちが「マックイーン展は見といた方がいいよ」と口を揃える。連日満員、入場制限も出ているというので、朝、オープンの40分前にヴィクトリア&アルバート博物館へ。10名程度の行列に並び、無事入場することができた(10時のオープン時には行列は200名ぐらいに延びていたが)。果たして会場で目にする服(というか作品)から発せられる、鬼気迫る感じはなんなんだ。会場の音楽や演出も素晴らしいのではあるが、鳥肌が出るような展示の数々。感じたのは、アレキサンダー・マックイーンが抜き差しならない関係で服と真剣勝負し、命を削るような思いで作業をしていたのではないか、ということ。

「服に愛」特集が立ち上がった時、マックイーンはこの特集にぴったりな存在だと思った。まさに「一生を服に捧げた男」だと思ったからだ。そこで、まず生前のマックイーンと親交のあったテーラーの信國太志さんに話を聞きにいった。ちょっと意外な事実も判明する。パブリックスターとしてのアレキサンダー・マックイーンの顔と、イーストロンドンで信國さんたち仲間だけに見せるリーとしての顔。ファッションに対し傾ける熱さと裏腹に、持っていた非常にクールな目線。そのどちらも本質なのだろうが、相反する二つの顔が実は彼のクリエイションの根底にあったのだろうか。信國さんには、天国の彼への手紙という形で寄稿してもらった。相反する二つの顔が実はマックイーンのクリエイションの根底にあったのではないだろうか。内容は本誌でご確認を。

今回は、他にも服を愛する人たちの興味深い話が目白押し。溢れるマルジェラ愛を二時間ノンストップで語ってくれたスタイリストの北村道子さん。「スニーカーもいいけど革靴も…」とその魅力をマニアックに話す、靴磨き職人の長谷川裕也さん等々。読み物だらけのファッション特集。今宵、あなたも愛する服の話を酒の肴に。

 
●星野徹(本誌担当編集)



ブルータスの書籍

松浦弥太郎の「男の一流品カタログ」

松浦弥太郎 著
1800円(税別)

松浦弥太郎の「男の一流品カタログ」が1冊の本になりました。

8月17日に新しい書籍を出版します。昨年、文筆家で当時は雑誌『暮しの手帖』編集長だった松浦弥太郎さんと一緒につくった特集『松浦弥太郎の「男の一流品カタログ」』を加筆・再編集し、ちょうど1年後に、1冊の本にまとめました。

松浦さんは2015年4月より〈クックパッド〉へ所属を移し、ウェブメディア『くらしのきほん』を始められましたが、その新天地での気持ちを綴った書き下ろしエッセイや、80点紹介していた一流品カタログを20点プラスして完成版「100」のカタログとするなど、新しい内容を追加。親交のあったイラストレーターの故・安西水丸さんから贈られた、手作り本『日々』も特別に収録することができました。

表紙はグローブ。ずっと読み継がれる1冊になってくれたらと願っています。


「みやげもん」は『勝駒』

京都三条にある武信稲荷神社は、“必勝”の神様として信仰を集める社。勝負事に勝つ、何かを克服したいと願う人々が、パワーをもらうためにこの勝駒を求めて参拝します。


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