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BRUTUS 886号:死ぬまでにこの目で見たい日本の絵100

BRUTUS 886号:死ぬまでにこの目で見たい日本の絵100

BRUTUS No. 886

現代美術家・会田誠さんによる、ひと味もふた味も変わった「日本の絵」ガイドを作りました。戦前から古代まで遡りながら、日本の絵を1作家につき1枚、合計100枚選び独自に解説します。セレクトも評価も、偏向&思い込みは承知の上!
戦争/シュールと抽象/ヌード/生命と祈り/風景と生活/異界/物語/自然/浮世絵/調度/風俗/水墨画/絵巻/神仏/プリミティブ……テーマもさまざまな絵のセレクトは、会田さん曰く「ほとんど教科書通り」。しかし、ただ礼賛するのではなく、時に痛烈な批判すら交えながら繰り広げられる美術案内は、斬新な視点と新しい発見に溢れています。
ブック・イン・ブックは『奇想の系譜を辿る』。伊藤若冲、曾我蕭白、狩野山雪、白隠慧鶴、長沢芦雪、岩佐又兵衛、鈴木其一、歌川国芳ら、江戸のアバンギャルドを紐解きます。
既に知っている名画も、会田さんの目を通して見てみれば、まったく違った顔を見せてくれるはず。刺激的で、濃厚な鑑賞体験へとご案内する一冊です。

※886号「死ぬまでにこの目で見たい日本の絵」は、電子版の発行はありません。


CONTENTS


特集
現代美術家・会田誠の
死ぬまでにこの目で見たい日本の絵100

はじめに。
戦争 ──────── 死屍累々を描く。
シュールと抽象 ──── 絵とアバンギャルド。
ヌード ──────── 裸体デモクラシー。
生命と祈り ───── 才能は閃光のように。
風景と生活 ───── 近代絵画のブルース。
異界 ──────── 釈迦から妖怪まで。
物語 ──────── 歴史画の起死回生。
自然 ──────── 世界はグラフィカルだ!
浮世絵 ─────── 国民的絵画、降臨。
CLOSE UP 1「女」

BOOK IN BOOK
江戸絵画の革新者たち!
『奇想の系譜』を辿る。
伊藤若冲/曽我蕭白/狩野山雪/白隠慧鶴/
長沢芦雪/岩佐又兵衛/鈴木其一/歌川国芳

会田さんも、奇想? 会田誠の最新作は、国芳の骸骨インスパイア。
調度 ──────── 日本絵画は家具だった。
CLOSE UP 2「動物」
風俗 ──────── ナンパもダンスも団欒も。
水墨画 ─────── モノクローム好き。
絵巻 ───────── めくるめく、オトナの絵本。
CLOSE UP 3「ポートレート」
神仏 ──────── 救ってくれよ!
プリミティブ ───── 遡ればシルクロード。
あの絵もこの絵もこの目で見られる、日本の絵の展覧会 2019

 

…and more!


From EditorsNo.886 フロム エディターズ

なぜその絵を選び、語るのか。
会田誠の視点を共有しよう。

読めば自明ですが、この特集の肝は会田誠さんの作品解説の面白さに尽きます。セレクトは会田さんにとっての「ベスト100」ではなく、なかには痛烈にディスっているようなものもあります。ただ、偏愛にしろ批判にしろ、「そこ?」というような目のつけどころは、ちょっと凝り固まっているかもしれない私たちの美術鑑賞の常識に、風穴を開けてくれるものになっているかと。そしてその風穴、なんか爽快なんです。

特集冒頭のステイトメントのなかで、セレクトした100作品について「ほとんど教科書通りのラインナップ」と会田さん自身はおっしゃってますが、誰もが知っている作家の作品でも「そっち?」と思わせるようなものも。念のために、「この画家ならこっちの作品のほうが代表作ですが……」と提案しても、「いや、そのままで」というようなやりとりもありました。特集を通して、会田さんがなぜその絵を選んだのかを想像しながら読んでいると、なんとなく会田さんの美術家としての視点に近づける気もします。実際、会田作品には日本の古い絵を参照しながら現代美術に置き換えたものが多くあるので、それらを鑑賞するのもより楽しくなるのではないかと。

そして、会田セレクト&解説を堪能したら、今度は“自分なら”という目線で100作品選んでみるのも面白いかもしれません。

●中西 剛(本誌担当編集)



From EditorsNo.886 フロム エディターズ

日本美術は、会田さんのインスピレーション源です。

現代美術家の中でもラディカルな作風でお馴染みの会田誠さんですが、日本の名画へのオマージュと言える作品がいくつかあります。東京の女子高生と修学旅行中の女子中学生を横一列に配した《群娘図’97》の構図は尾形光琳の国宝《燕子花図屏風》の様。また、近づいて見るとうず高く積み上げられたビジネスマンで構成された《灰色の山》は藤田嗣治の戦争画《アッツ島玉砕》の現代版さながら。
そして現在、兵庫県立美術館で開催中の『Oh! マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー』で展示されている最新作《MONUMENT FOR NOTHING V 〜にほんのまつり〜》もまたしかり。無念にも餓死して行った旧陸軍二等兵の“英霊”が巨大な集合体となり、国会議事堂(形の墓)にその存在をアピールしているという作品。高さ7m余りのねぶたのような立体で表現された本作のインスピレーションのひとつは歌川国芳の《相馬の古内裏》のどくろだそうです。
しかし、展覧会の会場に掲示されたキャプションにはそのヒントはなく、それを読み解くのは困難かも。(実際、記者内覧会でもそういった質問は出ておらず、私も先に聞いていなかったらたぶん思い至らなかったかと。)

今回の特集では、会田さんに「藝大時代に古美術研究旅行で本物を見て痺れた」など若い時からの絵画体験を交えながら解説していただいています。時に社会的、政治的なメッセージを織り交ぜながら提示される会田さんの作品は表面的に捉えられがちですが、会田作品が内包する何層ものレイヤーを再発見する、そんな機会にもなるのではないでしょうか。
(上記の作品図版は、すべて本誌でご覧いただけます。)

●草野裕紀子(本誌担当編集)



ブルータスのMOOK


みやげもん『べらぼう凧』

秋田県能代(のしろ)市のべらぼう凧。この舌出しは、魔除けの意味が込められているといわれています。今回ご紹介するのは少し風変わりな、頭に旗を載せている「旗べらぼう」。

https://magazineworld.jp/brutus/miyagemon/miyagemon-290/

2月1日売『BRUTUS 886号』は電子版の配信をお休みします。

アラカルト売り、読み放題、定期購読などすべての電子版をこの号は休止します。

https://magazineworld.jp/brutus/brutus-digital/


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