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BRUTUS 883号:Mid-Century in Our Life

BRUTUS 883号:Mid-Century in Our Life

BRUTUS No. 883

家具好き、プロダクトデザイン好きが、今も愛し、いつもの暮らしの中で、使い続けている、ミッドセンチュリーデザインの家具が、いま改めて気になります。

プロダクトデザインへの関心を持つきっかけとなった約20年前のブーム。その後、北欧、フランス、日本の同時代のモダン家具へと関心は広がり……。ぐるっとまわって、その原点であるアメリカのミッドセンチュリーを今回は紐解きます。3大巨匠、チャールズ&レイ・イームズ、ジョージ・ネルソン、アレキサンダー・ジラードのプロダクトデザインに焦点をあて、何十年もの間、飾るためでも、自慢するためでもなく、ずっと使い続けられてきたミッドセンチュリー家具の魅力に迫ります。

建築家から俳優まで、18組のミッドセンチュリーデザインのある暮らしを、家具にまつわる思い出とともに。

映像などを通してデザインを「広める」ことに長けたイームズ。ディレクターや評論家など、立場を変えてデザインを「編集」したネルソン。世界各国のモノを「収集」し、整理したジラード。新たな側面から、彼らの創造力の真髄を探ります。

そして、フランスヴィンテージブームの次は、南米ブラジル!? 楽観的な表現で、見るもの使うものを魅了するブラジリアンミッドセンチュリー家具の魅力を、リナ・ボ・バルディの〈ガラスの家〉とともに紹介。

90年代のブームを経験した人には“懐かしく”、知らない人には“新しい”、インテリアの教科書ができました。



CONTENTS

ミッドセンチュリーデザインブームの仕掛け人 マーク・マクドナルドを再び訪ねてきました。

特集
Mid-Century in Our Life
未来の家具といつもの暮らし。

Mid-Century in My Life

改めて学びたい、ミッドセンチュリーデザイン3大巨匠のこと。
広める人……チャールズ&レイ・イームズ
編集する人……ジョージ・ネルソン
収集する人……アレキサンダー・ジラード

もっと知りたい、ミッドセンチュリーデザイン。
「ミッドセンチュリー」という時代、そして3大巨匠のデザイン革新とは?
ヴィンテージシェルチェア購入時のチェックポイント。
出会ったらマストバイな超稀少ヴィンテージプロダクト。
意外と知らない復刻事情。今買える、新品の家具とグッズ。
アメリカン・ミッドセンチュリーを彩った8人のデザイナーたち。
僕とミッドセンチュリー。

Brazilian Mid-Century
誰も知らない、ブラジルのミッドセンチュリー。
ブラジル・モダンの金字塔、リナ・ボ・バルディのガラスの家。
ブラジル・モダンを代表するデザイナーたち、ずらり教えます。
ゼスティ・マイヤーズさんに聞く ブラジル・モダンのこれから。
ブラジル家具自慢。
ブラジル・モダンファニチャーへの入口。

 

…and more!


From EditorsNo.883 フロム エディターズ

改めて知りたくなった、欲しくなった、
イームズ、ネルソン、ジラード、未来の家具。

デイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング主演の映画『ファースト・マン』(2月8日公開予定)を試写会で観てきた。人類史上はじめて月に降り立った宇宙飛行士アームストロング船長をメインキャラクターに、1960年代に行われたNASAのプロジェクトが描かれる作品だ。

この映画の中で、たびたび出てくるのが、イームズのシェルチェア。人類が宇宙へ、未来へ志向した、まさにその時代。人々の暮らしの中に広まっていたのがイームズらを中心に、未来を思考して作られたミッドセンチュリーの家具たちだったことが見てとれる。70年代80年代、宇宙への志向が弱まっていく時期を同じくして、ミッドセンチュリーの家具たちにも斜陽期が訪れる。その後、大衆的な家具(イームズたちはそれこそを志向もしていたのだが)という人々の認識に対して、デザイン、そしてアートの視点から新たな価値を見出したのが、本誌巻頭で取材をしているマーク・マクドナルドだ。

それを経て、30代以上の方々ならご存知だろうか、1995年ブルータス『イームズ 未来の家具』を皮切りに、日本国内で空前のミッドセンチュリーブームが到来したことを。大学生の自分にとって、未来の家具は、いつか買いたい憧れの家具となる。そして、ミッドセンチュリーの家具を知ることをきっかけに、プロダクトデザイン=新しい興味が喚起させられたのだった。北欧家具、日本のミッドセンチュリー、フレンチヴィンテージへ……。その原点は、やっぱりイームズ、ネルソン、ジラードらが作ったアメリカのミッドセンチュリー、と改めて思えたのが、この特集をつくる種。

特集・居住空間学で取材するたびに、いかにもメインです! と鎮座するのではなく、インテリアの一部に溶け込んでいる、ミッドセンチュリー家具を多数見てきたのが、水、そして肥料となって、この特集を作りたい、という大きな幹となったのです。

一緒に組んだのは、ブルータス編集部最年少の辻田。ミッドセンチュリーを初めて知る彼が、その家具に魅了され、虜となって、知識を増やしていく姿を見ていると、イームズ、ネルソン、ジラードらが作ったデザインの強さというものをあらためて感じる。

ブームのときに買ったことのある人。持っているけど、使ってない人。そもそも知らない人たちにも。全世代のために作った家具とデザインの特集『Mid-century in Our Life』。“あの”イスに座りながら、ぜひ。

●杉江宣洋(本誌担当編集)



From EditorsNo.883 フロム エディターズ

自分だけのシェルチェアから始める、憧れのミッドセンチュリーライフ。

1990年代にはじまる、「ミッドセンチュリーブーム」の頃に生まれた僕にとって、イームズらの手がけた“未来の家具”たちは、すでに暮らしの中にある“定番の家具”でした。ふらっと入ったハンバーガーショップの椅子がイームズのものだったり、よく行く古着屋の棚がよく見るとネルソンのものだったり。その中でも一番よく目にしていたのが、イームズのシェルチェアでした。

シェルチェアはミッドセンチュリーデザインのエントリー家具にぴったりです。価格も比較的安く、丈夫なので長く使えて、フレンチや北欧など、いろいろなテイストの部屋に調和します。ですが、「よし、シェルチェアを買おう! なるほど、ヴィンテージと新品があるのか。どうやら色もたくさんあるようだ。えっ、レッグの種類もこんなに……!?」と、買う前に足踏みをする人も多いのではないでしょうか。今回の特集では、購入時の参考になればと、ヴィンテージシェルチェアのチェックポイントをまとめたページを作りました。(p.56)

まずは好きな色を選ぶところから。今回なんと、ヴィンテージのシェルほぼ全色を、とあるコレクターさんからお借りすることができ、カラバリが一目で分かるカタログができました。ミッドセンチュリーを象徴する鮮やかなカラーもいいけれど、茶系の落ち着いたカラーもいい。せっかくだから珍しい色を探すというのもオススメです。色が決まったら、ダイニングで使うのか、リビングで使うのか、使用シーンを想定してレッグを決めましょう。レッグによっては脚先にグライズと呼ばれるキャップが付いていて、ヴィンテージの状態を見る一つの目印になっています。なお、レッグやグライズにもヴィンテージと新品があります。価値のあるヴィンテージを選ぶのもよし、ガシガシ使いたいから現行品を選ぶのもよし。せっかくなら何年に製造されたシェルなのか気になりますよね。そんな時はシェルの裏のロゴを見てください。ロゴの種類で年代が分かります。

なにやらチェックポイントが多いシェルチェアですが、裏を返せばそれだけたくさんの組み合わせを楽しめるということ。昔買って倉庫に眠っているシェルチェアも、今の生活に合わせてレッグを替えればまた使うことだってできます。いっぱい悩んで、自分だけのお気に入りの一脚を買ってみてください。そこから、憧れの“ミッドセンチュリーライフ”を始めましょう!

●辻田翔哉(本誌担当編集)



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