食う、寝る、遊ぶ、学び、育ち、働き、何かが始まる。人が集まる場所では、いつも新しいアクションが起きています。空きビルや工場跡、そして廃校――日本、そして世界には、今は使われなくなってしまった、しかし視点を変えればスケルトンで使い甲斐のある、安くて贅沢な箱がたくさんあります。この特集は、人が集まる場所への案内であり、スペース再生のガイドブックであり、地方創生のリ・ブランディングブックです。
廃校がアパレルブランドの工房に、製材所跡がブリュワリーに。冒頭では、建設当初の面影を残しつつ生まれ変わった、いま行くべきスポットをご紹介。「こども食堂ならぬ、みんな食堂」「ロボットが通うAI学校」……少子化で増え続ける廃校を利活用する“夢のプロジェクト”を考えてくれたのは、劇作家の野田秀樹さん、アーティストの会田誠さんら、11組のクリエイター。
付録は「今すぐ使いたいニッポンの廃校30」。“BRUTUS廃校再利用選定委員会”の案内で、ユニークな校舎・ロケーション・敷地面積など、メリットごとに物件が探せます。
0からでは造ることのできない、建物や土地が持つ履歴と記憶。ノスタルジーを求めるだけではなく、再利用だからこそできることを考えると、新しいものが見えてきます。ここから何かが始まってゆく、そんな一冊です。