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BRUTUS 894号:愛と欲のスニーカー。

BRUTUS 894号:愛と欲のスニーカー。

BRUTUS No. 894

ナイキ「エア マックス」が社会現象になったのは四半世紀も前のこと。今や一大カルチャーへと成長したスニーカーは、新しい時代を歩み始めています。新作発売日には数百人のファンが行列を作り、老舗革靴店のウィンドウにさえスニーカーが並ぶ。リセール市場では株式のように格付けされ、真贋鑑定に40ドル払うのが当たり前……。そんなスニーカー周りのことをもっと知るために、ブルータス初の「スニーカー特集」を作りました。
名作を手がけたキーパーソンたちに取材を敢行!ナイキとの新作コラボを発表した現代アーティストのトム・サックス、リーボック「インスタポンプフューリー」の作ったシューズデザイナーのスティーブン・スミスなどなど。普段語られない、シューズデザインの裏側に迫ります。また、スニーカーとハイファッションの関係性を考察するためにパリへ。世界一のスニーカー市場と言われる理由を探るために上海へ。そして、“スニーカー投資”とさえ呼ばれるリセール市場の実情を知るためにアメリカ・デトロイトへ飛びました。そのほか、大ボリュームのコラム集や新作だらけのシューズカタログ、超ニッチコレクターの秘蔵コレクションなど、知りたいこと、知らなかったことが満載! 人々を熱くさせ、時に狂わせるスニーカーの魅力を紐解く一冊です。



CONTENTS


特集
愛と欲のスニーカー。

Sneaker is art? トム・サックス

モードを駆け抜ける、スニーカーたち。

スニーカー百景。

上海スニーカー紀行。

“スニーカー投資”の世界。

Shoe Designを生み出す才能たち。

MADE IN JAPANの底力。

知れば知るほど好きになる! スニーカー調査ファイル。

イノベーションの歴史の陰に珍品アリ。

超ニッチコレクターの偏愛収集録。

100%リサイクル可能なスニーカー。

 

…and more!


From EditorsNo.894 フロム エディターズ

あなたはどのタイプに当てはまる?

なぜスニーカーがここまで人気なのか、素朴な疑問を抱いていた。例えば、「エア マックス」や「エア ジョーダン」の登場と、その後の社会現象を目の当たりにしてきた世代としては、人気モデルのアッパーとソールを組み合わせただけのアイテムはどこか物足りない。でも、取材の過程でこんな話を聞いた。どんなデザイナーとのコラボレーションであっても、ベースモデル選びは彼らのノスタルジックな想い出話から始まることが多いという。「あの頃の自分」を振り返りつつ、それをアップデートする。人間の好みは、極端には変わらないのかもしれない。

あるブランドのMD戦略では、購買層を少なくとも3タイプにカテゴライズできるという。「sneaker obsessed(取り憑かれたように足元しか見ない人)」「style maven(ファッションの一部として上手く取り入れている人)」、そして「visionary(ごく一部の高感度な人)」。なるほど、うまく言い当てている。アーカイヴの組み合わせや、アレンジ、そこに加わる誰かのシグネチャーというプレミアム感こそが、先ほどの3タイプの人たちを幅広く刺激するのだろう。追いかければ追いかけるほど深みにはまり、何百足、何千足と集めるコレクターは、世界を見渡せばそう珍しくないのだ。

ちなみに、個人的に好きなスニーカーを聞かれれば、私はアディダスの「カリーム・アブドゥール・ジャバー」のシグネチャーモデルと答える。1970年代に出たオリジナルではなく、気軽な復刻版モデル。デザインは至ってシンブルでベーシックだけど、ハイカットのシューレースの間から見せる顔が最高なのだ。それにしたって「あの頃の自分」のままで、3タイプのどれにも当てはまらない私は、いかがなものかと思う。

●鮎川隆史(本誌担当編集)



From EditorsNo.894 フロム エディターズ

真のスニーカーヘッズは、履いて然るべし。

特集を作っていた約2ヶ月半の間、嫌というほどスニーカーを見てきました。すれ違う人の足元をついつい見てしまったり、買い物に行ってもスニーカーばかり目に入る、ちょっとした職業病のような状態に……。スニーカーヘッズたちがプレミアム価格を払っても買いたい流行りの一足から、マニア垂涎もののヴィンテージアイテムまで色々目にしましたが、何と言っても、履きこまれたスニーカーが一番かっこいい、ということに気がつきました。

「超ニッチコレクターの偏愛収集録」という企画で、3人の局所的なマニアを取材。彼らは、五万とあるスニーカーの中からごく一部に強く魅せられた変態的なコレクターたちで、その愛し方も並々ならぬものがありました。そんな3人に共通していたのが、ただ収集しているのではなく、あくまで“履いて楽しんでいる”という点です。ファッションアイテムやスポーツギアとしてスニーカーを集めている彼らこそ、真のスニーカーヘッズだと僕は思います。3人のとっておきのコレクションたちを、ぜひ誌面でお楽しみください。

リセールサイトで高額で取引されるスニーカーが増え、汚したくないからと履くのを惜しんでいる人も少なくないはず。またコレクターの中には、鑑賞して楽しむ人もいると聞きます。もちろん、それはそれでしっかりとした趣味ですし悪いとは思いません。けれど同時に、“履物”として生まれてきたスニーカーを履いてあげないのは何とも不便だとも思います。トム・サックスは「スニーカーは単なる道具だ。死ぬまで履くべし。雨の日に履くのを恐れるのは的外れだし、作り手にとっては傷つく行為でもある。ルール違反だよ」と言いました。スニーカーが一番輝く場所は、コレクションケースの中ではなく、きっと僕たちの足元です。誰しもお気に入りの一足をボロボロになるまで履き続けた時代があったと思います。この一冊が、その頃を思い出すきっかけになればいいなと思います。

●辻田翔哉(本誌担当編集)



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