伝わるしくみ(山本高史 著)
2時間ですぐわかる
最強の伝え方
一度体得すれば、無限に応用可能。
シンプルにして究極のルールを、
クリエーティブ・ディレクター、コピーライター、
関西大学社会学部教授でもある、
コミュニケーションのプロが、満を持して公開!
本書の基本、「伝えるフローチャート」とは!
(画像をご覧ください)
●このフローチャートは、
「インプット」することと
「アウトプット」することからできています。
●多くのコミュニケーションに関する本は、
⑤「伝える」にあたるところを重視しています。
つまり「アウトプット」。けれども、そこにたどり着きたければ、
「インプット」することから始めなければなりません。
●「伝わる」かどうかは「受け手がすべてを決める」と考えています。
そのためには「受け手の言って欲しいことを言ってあげる」ことが必要です。
●ではその「言って欲しいこと」とは何なのか?
それを的確に考えるために必要なものが
②「脳内データベース」です。
これを豊かにするためには、
①「経験」&「脳内経験」
が必要です。
フローチャートを「川」に例えれば、「脳内データベース」は、
考えるためのデータを貯め込む「ダム」や「貯水池」。
「経験」&「脳内経験」は、そこに源流からの水を注ぎ込むもの、
ということになります。
●「脳内データベース」が充実すれば、
③「発想する」
の質と量が大幅にアップします。上手に伝えるためには、受け手と同じ
④「共有エリアに立つ」必要がありますが、
発想が貧弱だとそれができません。
●このような長い流れを経て、ようやく
⑤「伝える」に至るわけです。
遠回りなようで確実な、「伝わるしくみ」を、
この本でぜひ体得してください!
〈はじめに〉より
「伝えたい」気持ちをなんとかしたい。
【コミュニケーションは、そもそも難しいのだ】
この手の本の著者は、さぞかし人付き合いにそつがなく、
円満な人間関係を築いているのだろうなと思われるかもしれないが、
残念ながら、少なくともぼくはそうじゃありません。
人とのコミュニケーションが、あまり得意じゃない。
団体行動が苦手だ。
それほど親しくない人との会食は避けたい。
愛想笑いが下手。
ウソも下手(よくつくクセに)。
粗暴にして臆病。
イライラしやすい。
感情は顔に出る。
いい歳をして引きこもりたいと思うことがたまに(ほんとうは、しばしば)ある。
理由は、コミュニケーションは面倒くさいから。
それと、想像以上に厄介だから。
そんなことで、よくもまあ図々しくも広告の仕事をして、
大学ではコミュニケーションを説いてきたな、と思う。
ただ、自分のコミュニケーションのスキルやその結果に痛しかゆしがあったから、
ずっとそのことを飽きずに考え続けられたのだ、とも思う。
汚れやほつれがあれば、イヤでもそこに目が行くものです。
今の世の中、人に伝えること、人から伝えられることは、しばしば恐怖ですよね。
言葉足らずは誤解され、ちょっとした言い間違いは拡散する。
「コミュニケーションって最高! 」なんていう人がいたら、それは勘違いか眉唾じゃないか。
こんなにも面倒で厄介なことを好きだなんてどうかしている。
さまざまな企業や機関の行う調査には「コミュニケーションが苦手だ」の理由が並んでいる。
「自分の気持ちを伝えるのが下手」
「上司とうまくコミュニケーションが取れない」
「自分から話しかけるのが苦手、話題が浮かばない」
「雑談力が弱い」
「典型的な会話はできるが、さらに発展した会話をするのがダメ」などなど。
(「コミュニケーション苦手」という調査結果のなんと多いことよ)
そうなんですよね。そういうことなのだと思います。
コミュニケーションは人によって得手不得手があるのではなく、
多くの人にとっても等しく面倒で厄介なものであるものらしい、ということ。
だったら本書の読者という受け手も、著者という送り手も、
面倒くさい同士だから齟齬もないはず。
分かり合える。
そこから始めましょう。
面倒くさいことが前提だから、論点を明確に。
やるべきことをシンプルに。
でもシンプルはイージーとは限らないですぜ。
いざ伝える時には、細心に、そして攻撃的なくらいに。
「伝える」と言っても、達成感はさまざま、人それぞれ。
本書ではこんな成功イメージを持っています。
「気の利いたことが言えるようになる」
例えば雑談力が強くなる。人が聞いてくれるので、
話すことが苦にならなくなる。
「提案力が高まる」
言葉が伝わりやすくなり、アイディアに説得力が出てくる。
仕事も日常も、もっとラクに楽しく。
「コミュニケーションを生業にするもよし」
今その関係の仕事についている人にも、その希望を持っている人にも、
ヒント以上のものとなると思います。
ぼくは人とのコミュニケーションは相変わらず面倒なのですが、
コミュニケーションを考えることは好きなもので。
(勘違いか眉唾?)