闇に抱かれて眠りたい(藤村 いずみ 著)
秩父、多摩川、新宿で起こったピストルによる三件の猟奇的な連続殺人事件。これらの事件には共通点が二つあった。ひとつは、銃口が向けられた部位がすべて人体の「穴」であるということ。もうひとつは、三人の被害者が全員、テレビ局のワイドショーの人気司会者・村崎美津子に関係がある人たちであったこと。事件は敏腕弁護士畿内暢彦に持ち込まれた。畿内が村崎の周辺を事前に調査していくうちに明らかにされたことは、以外な犯人像と想像もできない犯行動機だった。三つの連続殺人事件は殺意と愛を交錯させつつ、猟奇的な香りを発しながら、驚愕と感動のクライマックスへと登りつめる。期待の女流作家が切り開いた恋愛ミステリの新境地!