世界人類がセックスレスでありますように(目黒 条 著)
あまりにも刺激的なタイトルに驚かれるとは思いますが、これはすごい小説です。しかも、この小説が処女作という大型女性作家の記念すべき書下ろし長編。この小説は、著者自らの言葉を借りればこうなります。「性、暴力、死は、現代文学が重視してきた三大テーマではないかと思う。その中の、第一番目のテーマを『性の不在』に置き換えてみたらどうだろう?みんなが好きなはず(多分)のセックスの話題を、セックスレスという風に反転させたら、さらに面白いのでは?そう思いついたのがこの作品の始まりだった」。子連れの主婦が結束し、ある日目覚めた?!キーワードは「セックスレス」。彼女たちの乾いた心が暴走を始め、幼児誘拐、そして殺人へと発展する。巧妙な形式と見事なストーリーテリングで展開する異色の傑作。驚くべき新人女性作家が誕生しました!