子どもがのびのび育つ理由 ニューヨークで見た子どもと大人のいい関係(兵藤 ゆき 著)
兵藤ゆきさんがご主人の留学先の、ニューヨークに移住したのは1996年11月のことです。ほんの2年のつもりだったニューヨーク生活が、結果的に「彼は博士号課程(社会学)まで進んでいった」ため、11年に及ぶものになりました。
その間に、生後7ヶ月だった息子さんは11歳になりました。結果として、息子さんの基本的な人格が育つ時期にニューヨークで生活したことは、子育て初心者である兵藤さんにとって「目からうろこ」な日々の連続でした。
暮らしてみて驚いたのは、小さな子どもに対する街の人々の接し方。ニューヨークの人たちは、幼い子どもを連れた人にとても親切なのです。兵藤さんの出会った人たちは、人種や老若を問わず、そうでした。また、赤ちゃんを誉めてくれたり、お母さんである兵藤さんまで誉めてくれる人もいました。
ニューヨークの街で出会う子どもたちが、とてものびのびしているのも驚いたことのひとつでした。大人とまるで友だちのように話をして、自分の意見もはっきり言います。子どもなのに、まるで大人の雰囲気です。
赤ちゃんだった息子がニューヨークで学校生活を送ることになり、兵藤さんは身をもって日本とは異なる学校教育や親子の関係を体験しました。すると、のびのびした子どもたちの不思議の謎も自然に解けました。
本書は兵藤さんがニューヨークで体験した、のびのび子育てのエッセンスを綴ったエッセイです。子育てに関心のあるすべての人たちに、おすすめします。
著者略歴
兵藤ゆき(ひょうどうゆき)タレント・エッセイスト
愛知県名古屋市に生まれる。東京・名古屋・大阪で深夜ラジオの生放送を担当し、歯切れの良いおしゃべりでテレビに進出。その後エッセイ、脚本、作詞、歌手、小説など幅広いジャンルで活躍する。1996年に長男誕生後、夫の留学先のニューヨークに渡る 。子育て、教育、文化などについて、肌で感じたエピソードを交えたエッセイを多数執筆。2006年には初の翻訳本『子どもを守る101の方法』を出版する。11年余りのニューヨーク生活を終え、2007年夏に家族と共に帰国。