「中国雑学団」 あっと驚く!知っておくべき中国ネタ話88(柏木 理佳 編)
―他国の外国人よりも友達になるのにも時間がかかり、個人主義でチームワークも苦手だから喧嘩も耐えない。人口13億人もいるため努力する姿勢は世界一だけど、自己主張が強く頑固―。著者から見た中国人のイメージは、複雑にして強烈だ。何が起きてもおかしくない、何かがおきそうだからおもしろい。それが中国という国の最大の魅力。
人脈を大事にする中国人は、何かことが起これば、会ったこともない遠い親戚から友人の友人まで電話して、数時間後には10人以上の人を集めてしまう。知り合いたい人の卒業した高校や大学を調べ、同級生を探したり、地域で加入しているクラブなどのメンバーになったりする。初めて挨拶した人同士でも、その場で写真をとるのもそのため。自分の印象を残さなければならないと思っているからだ。
政府が経済を操っている中国は、従来の欧米中心の世界の市場経済の仕組みとは、まったく違う路線ですすんでいる。オリンピック以降の経済が注目される中、右往左往しながら経済成長を維持しようと必死なのだ。
中国はいまや外貨準備高世界一になり、有り余る資金を武器に、資源や食料を世界からかき集め始めている。新興国の経済発展が加速する前の世界は、人口の少ない先進国が経済成長を遂げていたため、深刻な食糧不足に直面しなかった。しかし、これからの10年は人口の多い中国やインドの経済が成長するため、世界の食料が不足する。日本への輸入も減少し食料品の価格はますます上昇するだろう。中国の台頭で、確実に世界は変わっているのだ。いま日本人が知っておかなくてはいけないことは、世界に流出する中国人と、その勢いを押し返すことは、もうできないということと著者は言う。
「大量のメシを食い、大量の環境汚染を出す中国人を、真っ向から相手にする覚悟をすぐ決めなければなりません。それには中国人の「絶対に損しない生きる方法」を知ることです。批判するだけではなく、そろそろ主体的に行動し交渉できる人間になるべき。そうでなければ、いつまでも日本人は世界からバカにされ続けるだけです」
中国人との付き合い方は並大抵ではない。しかし中国人との交渉力がつけば、世界に通用する、したたかなビジネスができるといっても過言ではない。そのためには、まず中国の常識を知ること。中国ビジネスと関係ないと思っている人でも、周りは中国製品で溢れている。もうすぐ、中国人も大挙して日本に来るだろう。中国のことを知らないと、生活ができなくなっている時代なのだ。
この本では、そんな中国について8章88項目に凝縮した。最低限の知っておかなければならないことを知り、今こそ巨大な隣国に対峙しよう。
☆著者プロフィール
柏木理佳(かしわぎ・りか)
豪州テイラー大学留学後、香港を基点にキャセイパシフィック航空の客室乗務員として世界をフライト。その後、中国の成長に着目し、北京首都師範大学に留学し北京語を習得する。帰国後、NHK契約キャスター、日経CNBC「ニーハオB株中国株式ホットライン」キャスター、千葉テレビ「金曜たぶろっと」(レギュラー)に出演するなど生活経済ジャーナリストとして活躍する。豪州ボンド大学院でMBA(経営修士)取得。嘉悦大学短期大学部准教授。 著書に「中国産業『宝』地図」(ナツメ社)、「中国株でお金持ちになる」(ダイヤモンド社)などがある。