メディア@偽装(斎藤 貴男 著)
いつからか、「偽装」の二文字を見聞きしない日はないくらい、偽装立国ともいえる日本になってしまった。食品、建物、しまいには教師まで。しかし、それは「社会の透明化」によって表沙汰になってきたという面もあろうが、果たしてその透明化にメディアは一役を買ったのか? もしかしたらメディアそのものが自ら偽装をし、社会の偽装を演出しているのでは?……
本書は、休刊した『ダカーポ』の名物コラム“メディア時評”を皮切りに、NHK番組改変事件、プリンスホテルvs日教組、映画『靖国』問題、大メディアが扱っていない格差社会、メディアそのものの動向などテーマは多岐にわたり、森達也氏との対談「暴走する「善意」とジャーナリズムの危機」では、言論の抑圧のされ方の“今日的屈折”を抉って必読!
(プロフィール)
斎藤貴男 さいとう・たかお
ジャーナリスト。1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。英国バーミンガム大学修士(国際学MA)。新聞記者、週刊誌記者などを経て、フリーに。著書に『カルト資本主義』『機会不平等』『梶原一騎伝』(以上、文春文庫)、『プライバシー・クライシス』(文春新書)、『ルポ改憲潮流』『安心のファシズム』(以上、岩波新書)、『「非国民」のすすめ』『報道されない重大事』『国家に従属せず』(以上、ちくま文庫)、『「心」が支配される日』(筑摩書房)、『いったい、この国はどうなってしまったのか!』(共著、NHK出版)『あなたは戦争で死ねますか』(生活人新書)、『分断される日本』(角川書店)などがある。