雉猫心中(井上 荒野 著)
●内容紹介
これは愛だろうか?
新直木賞作家、受賞後初の長篇小説。ともに結婚している男女が、むさぼるように求めあう愛欲の一年を見事な文体で描く、著者の最高傑作。不穏な空気がサスペンスを呼ぶ。そして、静かな官能があふれてくる。
「大貫知子は、物欲しげに俺を見た。それがあの女に対する、俺の最初の印象だった」
「晩鳥。荒地に生えた一本の木みたいな男。孤独に晒されているのではなくて、孤独に守られているような男」
巧緻な構成で編み上げられた至高の恋愛小説。
【目次】
プロローグ 第一部/おわりのはじまり 第二部/はじまりのおわり エピローグ
●著者紹介
いのうえ・あれの 1961年東京生まれ。04年『潤一』で第11回島清恋愛文学賞を受賞。
08年『切羽へ』で第139回直木賞を受賞。主な作品に『もう切るわ』『しかたのない水』『誰よりも美しい妻』『ベーコン』『あなたの獣』などがある。