私のパスタはマンマの味(マガジンハウス 編)
●内容紹介
本場の味と聞くと、ハーブやらスパイスやら入手困難な材料を使い、時間をかけて作るもの、というイメージがありませんか? 日本に暮らす私たちは、おいしいパスタ=イタリアンレストランの味を連想しますが、そもそもパスタはイタリアの家庭料理。ご当地では日々の食事ですから、本来難しいものではないはずです。そこに気付かせてくれるのが、この本でご紹介するティルデ・ジョルジォさんのレシピ。イタリアはナポリの南、パガーニという町で、トラットリアを経営しつつ、料理教室を営むティルデさん。日々家族のために食事を作る、家庭の主婦でもあります。パスタの本場で一目置かれている彼女の料理は、実に簡単でしかもおいしい。たとえばトマトソース。オリーブオイルを熱したら、トマト缶を入れ、強火でがんがん水分を飛ばし、砂糖と塩を加えて煮詰めるだけ。ニンニクも唐辛子も入れません。「本当にこれでいいの?」と半信半疑で実行してみると、実にフレッシュでおいしいソースができ上がるのです。素材はシンプルだけど、質にはこだわる。手順は簡単だけど、はずしてはいけない決定的なコツがある。そんなティルデさんのレシピは、手間ひまかけるのは善、そうでなければ手抜きと自嘲する、生真面目な日本人体質を根本からゆさぶる、とても刺激的な体験です。パスタを盛り上げる前菜やメイン料理も合わせて全30のレシピ、ぜひお試しを。さらに、数々のおいしい料理を育んだ、イタリアの現地取材も入っています。
・目次
第1章 トマトのパスタ
・ポモドーロ、アラビアータ、プッタネスカ
第2章 日本の定番のパスタ
・ボロネーゼ、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ、ボンゴレ、カルボナーラ
第3章 野菜のパスタ
・秋のズッキーニのパスタ、カルチョーフィのタリアテッレ、ブロッコレッティ
第4章 ティルデさんオリジナル&
上級パスタ
・ティルデ風カラマータ、ナポリ風ジェノベーゼ、ポルチーニのパスタ、ペースト
第5章 本格リゾット
・チリメンキャベツのリゾット、魚介のリゾット
第6章 手打ちパスタに挑戦
・ティルデ風春のラザニア、ナポリ風ラザニア、ブラッチョーラ、ホウレン草のラビオリ、ソレント風ニョッキ
第7章 パスタでおもてなし
・季節野菜のグリル、カプレーゼ、牛肉のカルパッチョ、スズキのマリネ、ミラノ風牛肉のカツレツ、鯛のアクアパッツァ、牛肉のロースト、鶏のオーブン焼き、グリッシーニ&パン
第8章 ティルデさんの料理に大切なもの
・パスタ、チーズ、道具、オリーブオイルを解説
第9章 ティルデさんが暮らす食材王国、カンパーニャ州について
●料理指導
ティルデ・ジョルジォ
イタリア・カンパーニャ州サレルノ郊外のパガーニ生まれ。姉と地元で『ジョルジォ・セスト』という小さなトラットリアを経営。行事の伝統料理や手打ちパスタ、菓子などの練り物、旬の野菜や魚を使った重くない料理を得意とし、店で週に2回の料理教室『A TAVOLA CON ZENZERO』が地元の料理好きマダムの間で人気を博している。他界した両親と兄は、カンパーニャ州全域にパンを供給する有名なパン屋さんを経営していた。