マリアの涙(ピーター・シャビエル 著)
●内容紹介
本書は、インテル×マガジンハウスによる「あなたを作家にするプロジェクト」(2010年3月~12月実施)に寄せられた8442点の応募作品の中から選ばれた最優秀作品。カトリック世界のタブーに挑んだ「サスペンス×ファンタジー×教養」の新感覚小説は、日本版「ダ・ヴィンチ・コード」とも呼ぶべき重量級の面白さ!
●内容構成
冬のある日、高校生の藤原道生は教会の聖母マリア像の前で卵型のメダルを拾う。それは、「無原罪のマリアの不思議のメダイ」と呼ばれるものだった。その15年後、新進気鋭の画家・彫刻家に成長した道生は、「聖母マリア美術館」の落成記念にミケランジェロのピエタ像のレプリカを制作し、絶賛を浴びる。ところが2年後、像は何者かによって傷つけられる。ピエタ像破壊の目的は何か? マリアはなぜ涙を流し続けるのか? 十字架の下にたたずむマリアの本当の悲しみとは? ……東京・京都・イタリアを舞台に、エキュメニズム(キリスト教の教会一致運動)を妨げるマリアの「無原罪の御宿り」の教義を巡って、不可解な事件・事象が次々と起こる。
一章 悲しみの聖母
二章 傷つけられたマリア
三章 顔のないピエタ
四章 虐められるマリア
五章 喪失
六章 もう一つの絶望
七章 惹かれ合う心
八章 泣き続けるマリア
九章 ピエタ破壊犯
十章 贈り物
十一章 ピエタ破壊の真相
十二章 取り返しのつかない罪
十三章 「本当のマリア」を求めて
十四章 マリアの心
十五章 もう一つのスターバト・マーテル
●著者紹介
ピーター・シャビエル Peter Chavier
キリスト教の幼児洗礼を受け、カトリックの家庭で育つ。日本とアメリカでプロテスタント・カトリックのほかギリシャ正教・ユダヤ教・イスラム教などについても学ぶ。現在、ドイツに在住し、新聞や雑誌で執筆する傍ら、神学的テーマを小説で表現する試みを続けている。Master of Divinity。著書に『イエスの涙』(アートヴィレッジ)がある。