高峰秀子の引き出し(斎藤 明美 著)
クロワッサンで人気の連載エッセイ「高峰秀子の引き出し」が書籍になりました。
300本を超える映画、26冊の著書を遺して、2010年12月28日、86歳で逝った高峰秀子さん、没後5年、ファン待望の記念刊行です。
その死後、初めて開けられた引き出し。
養女である著者が、生前には知らなかった、きちんと整理された見事な引き出し。
取っ手に貼られた小さな紙片。「タキシードの小物」「スカーフ」「足袋」「下着」「風呂敷」「くつした」「カシミアセーター」……。
「どこの引き出しも、どの引き出しも、開けると、目を見張るほど美しかった。その一つ一つを、惜しげもなく、高峰は私に見せてくれた。そのたびに私は、驚き、唸り、見惚れた。だが、一番美しかったのは、高峰秀子という人間が持つ、引き出しだった。何気なく言った彼女の一言、ふいに見せる表情、彼女にとっては毎日行っている当たり前の行動、物事への対処……。それらの一つ一つが私には、無言の教えだった」(あとがきより)
高峰秀子の引き出しには、いったい何が入っていたのか、その一つ一つの中に、人間・高峰秀子が大切にしたものを見出していきます。