心の居場所が見つかれば人生はいつでもやり直せる 200人の受刑者が生まれ変わった教誨師の奇跡の言葉(中村 陽志 著)
熊本刑務所の教誨師として、受刑者と向き合って10余年。中村牧師は「行列のできる」教誨師としてその名を馳せている。かろうじて死刑を免れた凶悪犯が多く刑に服していることでも知られる熊本刑務所。その多くが無期懲役、すなわちほぼ一生を塀の中で過ごす人々だ。自ら望んでその教誨師となった著者はこれまで200人もの受刑者を更生の道に導いてきた。受刑者たちは自らの罪の深さに向き合い、他人も自分も赦されることを学び、やがて心の居場所をみつけて生きる目的を見つけていく。「なぜ死刑にならずに生かされたのか?」という問いを自ら、そして中村牧師と一緒に重ねるうちに心が溶け、希望を持って毎日を送るに至る彼らの変貌ぶりからは、「生きる」こと「生かされる」ことの本当の意味を深く考えさせられる。「塀の中でもこれだけの希望に満ちた生活をしている、ましては塀の外にいる我々においておや」と日常生活のつまずきや解消の大きなヒントにも。中村牧師から発せられる「奇跡の言葉」のエッセンスをわかりやすくまとめた本書。失意のどん底にいてもなお生きる希望を見いだす言葉の力は、明日を生きる原動力に。