フェイスブック流 最強の上司(ジュリー・ズオ 著 今井仁子 訳)
◆上司の仕事とはいったい何なのか?
◆部下との「1on1」。何を話せばいい?
◆管理職はどのくらい部下に任せるべき?
◆なぜ部下は「報告・連絡・相談」をしてこないのか?
◆結束力の高いチームをつくるには?
◆メンバーのやる気を高める会議の進め方とは?
はじめて部下を持つプロジェクトマネジャーから、
課長、部長、組織のトップまで――
変化を求められる熾烈な業界で、25歳で管理職に抜擢された著者。
不安と戦いながら学んできたマネジメント術を、
ホンネ全開で明らかにする!
「正直、自分が初めてチームを任されたとき、
この本があればどんなによかったか……!」
――マイク・クリーガー(「インスタグラム」共同創業者)
「いきなり管理職に放り込まれ、誰からの助けもない――
本書はそういう人のための心強いツールだ」
――エヴァン・ウィリアムズ(「ツイッター」元CEO & 共同創業者)
「自分の会社で、はじめて管理職になる人全員に配りたい」
――スチュワート・バターフィールド(「Slack」CEO & 共同創業者)
* * *
【もくじ】
はじめに 優れた上司は生まれるのではなく、「つくられる」
第1章 「上司の仕事」とは、いったい何か?
「優れた上司」と「平均的な上司」
「3つのP」で成果を上げる
リーダーシップの本質
第2章 キャリアを左右する「最初の3カ月」
管理職の「4つのタイプ」
第3章 すべては「小さなチーム」から
何が信頼をつくるのか
「時間」と「エネルギー」を割くべきこと
四角い穴に丸い釘は打てない
第4章 フィードバックが「爆発的成長」をもたらす
たったひと言が結果を左右する
改善されないときはどうするか
言いにくいことを伝えるテクニック
第5章 自分をマネジメントできる人だけが、達成できること
キャリアの「最大の転機」
弱点をなくすより、強みを活かす
力を発揮できるとき、できないとき
第6章 会議を「飛躍と創造の場」に変える
「誰を呼ぶか」がすべて
時間を浪費しないために
イノベーションが生まれる会議
第7章 「ビジョン」を描き、現実にする方法
「インスタグラム」の誕生
「完璧な計画」よりも「完璧な実践」
マーク・ザッカーバーグの決断
第8章 さらに「大きなチーム」を率いる
「1on1」を情報共有の場にしない
上司が悩むとき
魚を与えるより「魚の捕り方」を教える
第9章 「世界一価値の高い社風」は、こうして生まれた
シェリル・サンドバーグの対話術
部下は上司の“ここ”を見ている
モチベーションを高める「小さな工夫」
おわりに 旅はまだ1%しか終わっていない
* * *
「はじめに 優れた上司は生まれるのではなく、『つくられる』」より
私がはじめて管理職に就任してから10年以上たった現在。
わがチームの規模は桁違いに大きくふくらみました。
われわれの仕事は、25億人を超えるユーザーがスマートフォンの上で
青い「f」マークをタップする、その経験をデザインすることです。
ユーザーが自分の気持ちを伝えたり、友人たちの近況に触れたり、
コメントをしたり、「いいね」をしたり、コミュニティをつくったりする、
そうした経験をすみずみまで考えるのが私たちの仕事です。
いい仕事をすれば、世界のあらゆる場所に住む人々――
ベルギーからケニア、インドからアルゼンチンまで―を、
互いにぐっと近づけることができるでしょう。
10年前に新米上司だった私は、さまざまな助けを得ました。
リーダーシップについての本やビジネス誌、それに新聞の記事。
でも、なによりも心強かったのは同僚たちの存在です。
マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創業者)や
シェリル・サンドバーグ(フェイスブックCOO)、
そして昔の同僚や、現在一緒に働いている人々。
彼らとともに働けることは幸運としか言いようがありません。
「優れた上司は生まれるのではなく、つくられる」
これは私がなによりも大切にしている言葉。
人の上に立つことの「意味」を理解してはじめて、
「素晴らしい上司」に成長する「方法」を身につけることができると考えています。
そもそも、なぜマネジメントが必要なのか。
なぜ部下と1対1で向き合うことが重要なのか。
なぜ「B」より「A」を採用すべきなのか。
なぜ多くの管理職が同じ失敗でつまずくのか。
私が本書でご紹介するエピソードや見解には、
IT系スタートアップ企業ならではのものもあるかもしれません。
世の中には人の入れ替わりがほとんどない企業もあるでしょうし、
会議にそれほど重きを置かない職場もあるでしょう。
とはいえ管理職の仕事のほとんどは普遍的です。
部下へのフィードバックや健全な企業文化をつくること、
チームの方向性を考えること――
どれもこれも日々の作業で重要な位置を占めています。
私はデザイナーですが、本書はプロダクトデザインを教える
目的で書いた本ではありませんし、「フェイスブック」という企業について
なんらかのサービスをアピールするつもりもありません。
あくまでも、「上司」という仕事について手探り状態で、
恐怖と猜疑心、そして「私はこの役割に向いていないのではないか?」
という思いに苦しんでいた、「管理職1年生」の自分に読ませたかった本です。
その悩みは読者の皆さんにもかならず解決できるはず。
心の準備ができたら、さあ、始めましょう。