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くいだおれ太郎のつぶやき。(くいだおれ太郎 著)

くいだおれ太郎のつぶやき。

— くいだおれ太郎 著
  • ページ数:96頁
  • ISBN:9784838718863
  • 定価:1,320円 (税込)
  • 発売:2008.06.30
  • ジャンル:エッセイ
『くいだおれ太郎のつぶやき。』 — くいだおれ太郎 著

紙版

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大阪・道頓堀『大阪名物くいだおれ』が7月8日に閉店するニュースは全国を駆け巡り、国民的な関心事となっています。その話題の中心は、名物人形「くいだおれ太郎」の行方。オファーは吉本興業、阪神タイガース、通天閣など100件以上殺到。まさに時の人形。そんな太郎の59年間の激動の人生を、くいだおれ太郎自身が本書だけに独占告白!なぜ定年間近に突如失業することになったのか?第二の人生はどうするのか?昭和24年に生まれて、雨の日も風の日も太鼓を叩き続けた太郎はまさに団塊世代の象徴。それが突然の失業、思わぬ再就職オファー殺到という事態に驚き、悩み、発奮する気持ちを赤裸々に告白します。

(くいだおれ太郎のつぶやき抜粋)
 えらいこっちゃ!『大阪名物くいだおれ』の山田昌平社長に突然言われましてん「太郎、おまえもよう頑張ってくれたけど、この店も60年経って街も随分変わってしもた。うちもお前もお役目ごめん、ということかいな」。わては今年で59歳。もうそろそろ定年やいう歳になって、人生の再チャレンジですわ。
 でも誰よりも道頓堀という町の変化を見てきたわてには社長さんのツライ気持ちが一番よう分かってますわ。昔は芝居小屋がいっぱいおましてな。通りにはいつも出囃子の太鼓や鐘の音が響いて、わてもそれに合わせるように気持ちよぉ太鼓を叩いたもんです。でも今はそんな芝居小屋はなくなってしまい、船場の粋な旦那はんや御寮はんもすっかり見かけなくなりました。昔はそんなお客さんたちが、芝居の幕間にわての前で記念写真撮影してお店で食事してくれはったもんやけど、最近は記念写真撮ってもお店に入ってはくれはらへんお客はんも多くて、「わての太鼓の音が悪いやろうか?」と悩んだこともありました。でも時代の変化っちゅうやつですねんなぁ。そんなわての人生を語ってくれへんか?と頼まれましてけど、太鼓叩くことしか能のないわての話でええんですやろか?勿論話すからには一生懸命話させてもらいます。まずはわてがお店に就職した時からでよろしおまっか?

著者プロフィール
くいだおれ太郎
●昭和24年6月8日大阪市生まれ。昭和25年に『大阪名物くいだおれ』に看板人形として入社。小説、映画、テレビ、新聞、雑誌等に登場して店のPRに貢献する
が、2008年7月8日をもって退職。59歳、定年を目前にして第二の人生に再チャレンジ。退職が決まってからの全国的な報道は記憶に新しい。特技は鐘と太鼓の演
奏、愛想をふりまくこと、大勢の人と写真を撮ってもらうこと。趣味はスポーツ観戦。特に阪神タイガースファンとして有名。動力100V。