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国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由(古市 憲寿 著 トゥーッカ・トイボネン 著)

国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由

— 古市 憲寿 著 トゥーッカ・トイボネン 著
  • ページ数:256頁
  • ISBN:9784838727612
  • 定価:1,650円 (税込)
  • 発売:2015.06.18
  • ジャンル:その他
電子版あり
『国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由』 — 古市 憲寿 著 トゥーッカ・トイボネン 著

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フィンランドと日本、それぞれの国を代表する若手社会学者2人が、

“折れない国家”フィンランドの秘密を探る社会文化論。



フィンランドと聞いて思い浮かべるもの。ムーミン、サンタクロース、マリメッコ、ノキア、森と湖‥、高い教育水準と高福祉を挙げる人もいるかもしれない。そういった、あまりにも素晴らしすぎる、理想の国フィンランドのイメージに常々疑問を持っていた古市憲寿が、フィンランドの同じく社会学者であるトゥーッカ・トイボネンに出会ったことから、このプロジェクトは始まった。



まず、トゥーッカ・トイボネンがやったことは、フィンランドの社会に内包するジレンマを取り上げデータに基づき考察する論文を、フィンランド国内の著名な研究者たち十数名に依頼したことだ。それを日本語に翻訳し、古市憲寿と分析した結果、そこに、フィンランドが「何度も挫折を経験した国」であり、同時に「何度も復活を果たした国」である理由を見い出す。



さらに2人は、2014年に実際にフィンランドを訪ね、フィールドワーク(現地取材)を敢行する。起業家、若者、子供、先生、デモ隊の人‥、数多くの場所を訪ね、人に会った様子を、読者は追体験しながら、上記の論文とフィードバックできる4つの章(「総論」「教育」「若者」「イノベーション」)で本書は構成されている。



最終章の「これからもフィンランドは復活し続けるか」まで待たずして、持たざる国である日本がフィンランドから学べるヒントが満載の社会文化論である。



目次



はじめに

フィンランドは、何度でも立ち上がる 古市憲寿

正解のない時代にフィンランドの社会を「近距離」から考える意味  トゥーッカ・トイボネン



第1章「森と湖の国」フィンランド

 論文1 幻想的な国の土地と民族と自然

 論文2 フィンランド人は幸せか

 論文3 男女平等の真実

 「まとめ」



第2章 フィンランドの教育は本当に素晴らしいのか

 論文4 教育大国で鳴り響く不協和音

 論文5 「友達」が少ない子ども、自殺する若者たち

 「まとめ」



第3章 幸福なフィンランドの若者たち

 論文6 「落ちこぼれ」や「ニート」たち

 論文7  若者たちは幸福か

 「まとめ」



第4章 「起業大国」フィンランド

 論文8 ヘルシンキの春

 論文9 「創造性」のパラドックス

 論文10 日本とフィンランドにおける創造性とイノベーション

 論文11 信仰としての「イノベーション」

 「まとめ」



最終章 これからもフィンランドは復活し続けるか

 トゥーッカ・トイボネン/古市憲寿