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第14回 掃除に懸ける青春


てんてこまい記

てんてこまい記
 
クウネル編集部の若年寄りこと永田です。育児休暇を経て、二児の母となって戻ってまいりました。仕事と子育てにますます追われる日々をつらつらと書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。

第14回
掃除に懸ける青春

高校時代、クラスマッチという行事がありました。3学年・各9クラス、全27チーム対抗で、放課後にサッカー、バレー、バスケなどさまざまなスポーツで競い合う、体育会系の生徒にとって力の入るイベントです。じゃあ運動を不得手とする生徒には居場所がないかというと、そうでもありませんでした。私がクラマで打ち込んだもの、それは「美化採点」でした。

2週間にわたる会期中、授業が追われば、生徒はすわ試合だ、練習だ、と教室を飛び出します。ただでさえ埃っぽい教室が荒れ果てることに業を煮やしてか、きちんと掃除しているかどうかもひとつの種目になっていたのです。それが「美化採点」。

これは体力的にも非力な下級生のクラスにとって大きな得点源。美化委員となった私は相棒のH君とともに、モップやほうきを手に率先して掃除に努めました。美化委員長率いる審判団はそれは厳しくて、まるで桟のほこりを指でチェックする姑のよう。採点中はこちらも息を呑んで見守ったものです。

約20年ぶりでしょうか。この夏、私は掃除と真剣に向き合いました。10年続くおうち仕事の連載を書籍にまとめることになったのが、きっかけです。洗濯、掃除、整理整頓などなど、家事のいろいろを取り上げてきたこの連載。掃除の分野でも、たとえば掃除機のかけかたといった基本の技術から、ウォシュレットのノズル掃除など、こまかな場所のことまで網羅していました。連載からとくに役立つ情報を選び、新規取材を加えつつ、本を作っていきました。その確認も兼ねて、美化委員ならぬ「おうち仕事課」の一員として、家でいろいろな掃除を実践したのです。換気扇やガス台、冷蔵庫内、洗濯槽……。さっぱりするし、達成感はあるし、掃除って楽しい、とあらためて実感しました。

というわけで、読めばお掃除したくなる『ハウスキーピングブック』、ただいま発売中です。一人暮らしを始めた方、単身赴任のお父さん、新婚さん…どんな方でもお役に立つこと間違いなしで、贈り物にもぴったりかと。ぜひ、書店で手にとってみてくださいね(洗濯、整理整頓のこつや節約術も満載ですよー)。