りぼんにお願い(川上 未映子 著)
毎日をつつがなく送るには、何も考えずにルーティンを続けて行くことも必要。でも、ときにははた、と立ち止まり改めて〝考えて〟みる。「あたりまえに思っているけれど、それは本当にそうなの?」と。
結婚指輪って必要なもの? 悲しみと淋しさは扱われ方に違いがあるんじゃないか。失くしたポーチは何故見つからないのだろう……。
『乳と卵』や『ヘヴン』など、うねるような物語世界にぐいぐいと引き込む小説家・川上未映子。雑誌『Hanako』で現在も連載中の本エッセイは、一見楽しげな女子トークのようにも見えるけれど(未映子姉と呼びたくなる親しみやすさ!)、そこで問うのは本質。あたりまえに思うことも、必ずしもそうとは限らないこと。自分たちの意識を変えることによって、いくらでも自由になれることを軽やかにさりげなく伝えてくれる。つきつめて考えることの面白さ。哲学的思考の愉しさ満載。男性読者に響くポイントもたくさんあります。
装丁はガーリー・デザインのカリスマ千原徹也。今城純の写真、飯嶋久美子のスタイリングで著者をモデルにしたカバーは妖しく、キュートこの上なく、バッグに1冊、お守りがわりに持ち歩きたくなるエッセイなのです。