第22回 畳、干してますか。
てんてこまい記
第22回
畳、干してますか。
年末の大掃除。畳干しはまかせとけ! とマスオさんたちが畳を外したものの、ついつい下に敷いてあった新聞を読みふけってしまい…。年の瀬になると思い出してしまう、『サザエさん』のエピソードです。
最近はリフォームで和室を作ったり、置き畳にしたりするお宅が増えているのだとか。ゴロゴロするの、気持ちいいですものね。では皆さん、磯野家のように畳を外に干したりするのでしょうか?
畳のお手入れと言うと、「茶殻をまいて箒で掃く」、「黄ばみが出たらお酢で拭くといい」といった方法を聞いたことがありますが、昔ながらのやり方を守ったほうがいいのでしょうか?
というわけで連載「おうち仕事」で、いまどきの畳のお手入れについて取材することにしました。東京・三鷹にある『関口十一畳店』に取材に伺うと、店先に捨てる直前の畳が並べられていました。三代目の関口博行さんの協力で、畳ケアのあれこれを、実際に試してみることにしたのです。
ここでは記事からこぼれた実験結果を、リポートします。
・「黄ばみ、色褪せにはお酢がきく」
水で薄めたお酢で拭いてみました。が、変化無し。「これは効果ないねえ、迷信かな」と関口さん。酸による殺菌効果や、さっぱりする、という意味はあるのかもしれませんが、そもそも畳はい草の繊維が枯れていくから色は変わるもの。色の変化を楽しむくらいの気持ちが必要なようです。
・「こぼれた液体は小麦粉をかけて」
畳にコーヒーをこぼしてみました(わー、罪悪感!)。
畳表(い草)にしみこまないよう、粉で吸い取るといい、という意味かと思われますが、みるみる吸い込まれ、あっという間に茶色いしみが。小麦粉を出す暇があったら、まず布でも紙でも、手近なもので拭き取ったほうがよさそうです。
・「ふだんの掃除には茶殻を絞ったものをまいて、箒で掃く」
関口さんいわく「おそらく綿ぼこりを絡め取るという意味でしょうね」。確かに、濡れた茶殻にふわふわのほこりが絡み付きそう。
が、茶殻に残った水分をかなりしっかり絞らないといけないようです。「1分以上置きっぱなしにしていたら、かえってしみになる、と心得ましょう」。
この他、落書き、カビ、家具の重みでできたへこみ…巷に伝わる対処法は効果のあるものも、ないものも。夏休みの自由研究のような、なかなか楽しい取材でした。あとは、わが家の畳もちゃんとお手入れしてやらねば。今年の大掃除は畳上げから、と心に決めた次第です。