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第13回大賞受賞 『キラキラハシル』桐 りんご

坊っちゃん文学賞

第13回大賞受賞 『キラキラハシル』
 桐 りんご

舞台は小学校の校庭、400メートルリレーで全国大会をめざす小学生たちの物語。リレーメンバーに選ばれた4人の少女たちは、希望にあふれる中、それぞれに不安や悩みを抱えている。そんな彼女たちに監督と校長先生、正しく、真っ当な大人が、人生の真実についてやさしく語りかける。「第13回坊っちゃん文学賞」大賞受賞作。電子書籍として2014年3月に刊行

第13回大賞受賞 『キラキラハシル』
桐 りんご
きり りんご/1981年生まれ

受賞の言葉

桐 りんご

以前から、「坊っちゃん文学賞」は私の憧れでした。創作活動を本格的に始めた年に「第13回坊っちゃん文学賞」の募集があり、「これは応募するしかない!」と心に決め、「キラキラハシル」を書き始めました。

最終選考に残ったという連絡を頂いた時は、嬉しさのあまり体が震えました。しかし、授賞式までの約1ヶ月間は、緊張の連続で賞からもれる夢を何度も見ました。本心としては、早く授賞式が済んで、この緊張感から解放されたいという思いでいっぱいでした。今でも大賞を受賞したことが信じられませんが、未熟な点が多々ある私の作品を評価して頂いたことで、少しは自信を持つことが出来ました。

坊っちゃん文学賞の応募規定が「青春小説」ということを知り、すぐに頭に浮かんだのは、小学校時代の自分自身が経験したリレーの想い出でした。小学校時代には誰もが、かけっこやリレー、マラソンなどで「走る」ことを経験していると思います。この作品の登場人物達もリレーを通して、挫折をしながらも、努力することの大切さを学び、仲間との絆を築いていきます。この作品を通して、「走る」ことの喜びや楽しさを読者の方々にも共感していただけたら嬉しいです。これからは、「温かい気持ちを届けたい」という私の想いを小説という形で表し、読者の方々につないでいけたらと思っています。

最後に、松山市の皆様、審査員の先生方、マガジンハウスの皆様、そして、私をこれまで支えてきてくれた全ての方々に心から感謝を込めてお礼を申し上げます。


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坊っちゃん文学賞の電子書籍シリーズ
夏目漱石の代表作『坊っちゃん』の舞台として知られる松山市が、市制100周年の1989年に創設したのが「坊っちゃん文学賞」。新しい青春文学の誕生と、フレッシュな才能に期待したこの賞は、これまでに13回が開催され、多くの作品が世に送り出されてきました。今回、この「坊っちゃん文学賞」大賞作品が電子書籍化されました。第1回の大賞作品から最新作まで、多くの作品がお読みいただけます。