田舎町のリストランテ、頑張る(奥田 政行 著)
●内容紹介
山形県庄内地方にある小さなイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」。今や日本中はもとより世界各国からも予約が殺到するこのレストランのオーナーシェフが奥田政行さんです。奥田さんは、地産地消やオーガニックなどという言葉が一般的になるずっと以前から、ひたすら庄内の生産者と食材にこだわり、自分で食材を調達してまわり、他のどこにもない独特の奥田流イタリアンを作り続けて来ました。今では地産地消の旗手として、雑誌やテレビでも頻繁に紹介される人気シェフとなった奥田さん。そんな奥田さんが、クロワッサンに連載していたエッセイをまとめたものが本書です。奥田さんは、食材のほとんどを店から半径30km以内のところで調達します。朝早くから、海、山、畑、野原、牧場をめぐり、その日使う分だけを手に入れて行きます。野草や野菜はすべてひとつひとつをちぎっては食べて味見をし、満足いくものだけを採っていきます。本書で奥田さんは、この今でこそ有名になった「奥田シェフ食材調達ツァー」をする理由やそれに対する思いなどを始め、美味の裏にあるものを余すところなく語っています。奥田さんは、絶対味覚とでもいうべき、驚異の舌の持ち主です。食材を口にした瞬間の味はもちろん、その奥に潜む味、香り、色までがくっきりわかるといいます。それぞれの素材が持つ、甘味、苦味、辛味、酸味、塩味の構成を見抜き、何と何を組み合わせれば旨味を最大限に引き出せるのか瞬時に判断しながら一皿を作り上げていきます。本書では、そんな奥田さんが作る料理のレシピもたっぷりとご紹介。庄内の自然に対する深い洞察、食材や生産者に対する熱い思い、美味なる味わいの理由などがぎっしりと詰まった「奥田本の決定版」です!田舎の小さなリストランテが世界的評価を受ける理由が、この本にあります。
●著者紹介
奥田政行(おくだ・まさゆき) 1969年山形県鶴岡市生まれ。新潟県との県境の海辺の町で育つ。鶴岡東高校卒業後、東京でイタリアン、フレンチ、フランス菓子、ジェラートを修業。鶴岡ワシントンホテルの料理長に27歳で就任。2000年『アル・ケッチァーノ』を櫛引町(現鶴岡市)にオープン。2004年より現在まで庄内の農・畜・水産物を全国に広める山形県の「食の都庄内」親善大使。「庄内浜文化伝道師マイスター」も務めている。イタリア・スローフード協会国際本部主催の「テッラ・マードレ2006」で世界の料理人1000人に選出される。