第9回
はじめての。。。

テレビ放送もしばしばあるけれど、1本通して見たことが実は一回もなかった映画『男はつらいよ』。
子どもの頃にはおじいちゃんが見てたりするとチャンネルを変えてくれー、と思ったものです。が、48作も続き、日本人の心を魅了し続けた作品についてあらためて知りたい、と思い直し、今号のVIDEO／DVDコーナーで、その『男はつらいよ』の名作を教えてもらいました。

連載では、事前に3本のおすすめ作品を挙げてもらって、予習してから取材に伺うのですが、いやはやびっくり、レンタルビデオ店に行くと、うち1作品は在庫の4本すべてがレンタル中だったのです。30年以上前の作品なのに、寅さんの人気は根強いのです。

作品を見てみれば、これがもう、くすくす笑いっぱなしでした。寅さん、さくら、おいちゃん…なんとなくでキャラクターはわかっているものの、その軽妙なやり取りまでは知りませんでした。ゲストで出てくる役者さんも豪華。名優たちの若き日の姿が拝めます。そして、さくらがかわいすぎます。SLなど今は見られない日本の風景も見ていて楽しい。

そんなこんなで楽しめる寅さんワールド、この笑いをわかろうとしなかった自分の不明を恥じつつ、しかし、こんなにうけるのは、私も年をとったということなのか？　とも思ってしまいました。いつか子どもと一緒に見て笑いのセンスを仕込んでやろう、なんて考えてます。わかってくれるかしら。