YUCARI Vol.13 匠・日本の手わざ(マガジンハウス 編)
師匠から弟子へ。厳しい修行を積み重ね、長期に渡り伝承されてきた日本の手わざ。各地の風土や産出される素材などを生かしながら、磨き上げたものづくり。日本の伝統工芸は、とても美しく、温もりを感じることができます。
しかし、作家・塩野米松さんは「生活が変わり、価値観が変われば、古いものとして忘れさられていく。それを越えて前に進まなければ、生き残れない。常に、古くて新しくなければならない」と本誌で記しています。
「大量生産・大量消費」と言われて久しい現代日本。「使い捨て◯◯」なんていうのもどんどん生まれました。時代の移り変わりによって、消え行くものがあるは仕方のないことかもしれません。しかし、人々が培った手わざまで失ってはたまりません。手仕事によって生み出されたものは、人の心に響きます。手わざは、世界に誇れる日本の財産です。
伝統を重んじながらも、新しい視点、チャレンジ精神、さらには発信力を持った頼もしい21世紀の日本の手わざの伝承者も登場しているようです。
今回の『YUCARI』は、日本の「匠・日本の手わざ」特集です。まずは、丹精込めて作られた各地の伝統工芸品を手に取ってみませんか。技術と心の伝承の大切さが伝わってくるのではないでしょうか。
<特集内容>
・名工を訪ねて。
岩手県・盛岡「釜定」/山梨県・甲府「印傳屋」
・消えた手仕事。……塩野米松
・全国伝統的工芸品ガイド。
・手わざが生み出す「用の美」。
江戸切子/蛭谷和紙と越中瀬戸焼/
大阪浪華錫器/江戸からかみ/奈良筆
・1万円以下で買える、匠がつくったホンモノたち。
・名工のわざを次世代につなぐために。……京都伝統工芸大学校
・使われてこそ、工芸は生き続ける。……中川政七商店
・伝統の手わざとデザイン、過去から未来へ。
『YUCARI』は、人や地域のつながりを大切にし、日本の伝統文化や古くから伝わる生活習慣をひもとくことで、日本の大切なモノ・コト・ヒトの素晴らしさを改めて実感する雑誌です。