江戸前鮓 すし通の
鮪の握り

「座っていきなり、『この鮪に52カ所の隠し包丁が入っています。名刺代わりにどうぞ』というグルメ漫画のような出会いでした」と話すのは芸能界一の食通で知られる渡部建さん。店主の藤永大介さんは、鮪の個体差により包丁の目の数を変え、写真の大間産150kgの14日間熟成は68カ所。硬軟2種の米に、赤酢と白酢を合わせて仕上げたシャリをネタが包み込む寿司は、口に運ぶと、見事な一体感で溶けていく。「人生の最後にいただくなら、この進化形江戸前寿司でキマリ!」

ワンモアの
フレンチトースト

「死ぬ前に食べるなら、甘いスイーツで幸せな気分になりてぇだろぉー!!」とスイーツ真壁さんが選んだのは老舗喫茶店のフレンチトースト。店主の福井明さんは、三島由紀夫などの文化人が出入りしていた渋谷の伝説的な喫茶店「ロロ」で修業後独立。オリジナルレシピは銅板で焼かれるので、中まで温かく柔らか。メープルシロップもこだわりの自家製。

『わ』の
角切りハツ

10年前、この店のそばに住んでいたツレヅレハナコさん。「仕事終わりの深夜2時に1人で脂付きのハツを食べると、明日もがんばるー!と思えたもの」。日によって脂具合（厚さ）が違い、よいものが入ると店主の光山英明さんから写メが届く。「オリーブオイルと藻塩がまぶしてあるのもミソ。最後の晩餐なら、最高の厚さの角切りハツをほおばりたいです」

湯島天神下 大喜の
醤油ラーメン

「10年ラーメンの食べ歩きをしていると、時々でプチブームはあるのですが、ここのラーメンは永遠。決して飽きることがありません」。細いのにコシのある麺は手打ち、鶏がらと煮干しで取ったクリアなスープ、味付き卵、チャーシュー。ひとつひとつの仕事が光る正統派。ちょこんとのった貝割れも美しい。オーナーは和食出身と聞けば納得の上品な味。