マガジンワールド


第27回 いいね、その耳。


コロポックルの小屋

koropokkur

クウネル編集部の塚越です。人より多少サイズが小さいため、コロポックル系に属しています。目線も若干低いので、世界が広く見えて仕方ありません。ここでは、そんな重心低めな目線で見た毎日をお伝えしたいと思います。

 

第27回
いいね、その耳。

耳には無関心な人生を送ってまいりました。
それが一転、一生分の耳(しかもひと様の)と対峙した…そんな気分になる2月某日。

次号で取り上げますのは女性の「耳」です。どんな内容になるかは見てのお楽しみとして、いや、しかし、自分の耳すらまともに見たことがないのに、ひと様の耳を語るとはこれいかに。
担当になったからには、俄然気になる人の耳。隣のあの人、道行くかの人の耳を見てみると、これまでとちょっと見え方が違ってきます。老いも若きも、男も女も。それはそれは個性的で、なんというか、かわいらしいのです。
電車の中、目の前に座った人たちの耳をつり革につかまりながら凝視します。窓越しに差し込む光が透けて、誰もかれもがピンク色。「手のひらを太陽に」の一節が浮かび、なにやら優しい気持ちになってくる。みんな生きているんだ、友達なんだなあ。
いかめしい顔でスマートフォンを睨んでいる会社員さん、小ぶりで丸くて素直そうな形。その隣でマスカラを塗るのに夢中のギャルさんは、やたら穴が開いてはいるけど、大きな耳たぶでお金が貯まりそう。こっちのご婦人はしみひとつないつややかさ、その輝きはまるで生娘。こんなにも無垢な姿を、こんなにも無防備にさらしている場所があるでしょうか。いや、きっとない。なんという魅力的な部位、耳!
そうこうして、ある日実家に帰った時、おやと気づいたことがあります。どうやら私の耳の形は父譲り。中骨の出っ張り具合、毒にも薬にもならない感じの耳たぶの大きさ。ああ、ここに遺伝が……。
みなさまにもぜひ耳観察おすすめします。