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第33回 会いたかった人。


コロポックルの小屋

koropokkur

クウネル編集部の塚越です。人より多少サイズが小さいため、コロポックル系に属しています。目線も若干低いので、世界が広く見えて仕方ありません。ここでは、そんな重心低めな目線で見た毎日をお伝えしたいと思います。

 

第33回
会いたかった人。

会いたい人に会えるのが、この仕事の醍醐味でもあります。次号3月20日発売号で、またひとり会えちゃいました。憧れの人に。
それは、みつはしちかこさん。

市立図書館の小さな漫画コーナーに置かれていたのが、みつはしさんの代表作『小さな恋のものがたり』でした。おちびのチッチとのっぽのサリーが繰り広げる、不器用でかわいらしい恋のエピソードに、当時まだ12、3だったわたしは、憧れ、共感し、まだペッタンコの胸をキュンキュンさせていたのでした。共感するあまり「描いている人はどうしてわたしの気持ちがわかるんだろう?」「どうして、この場面を知っているんだろう」と真剣に考えたものです。

昨年、50年以上も続いた『小さな恋のものがたり』が完結したと聞き、久しぶりに手にとって、本当にうれしかったのです。自分が10代の頃にときめいていた瑞々しい世界が、変わらずにその中にあったことが。
ああ、そうだった、そうだった。夏祭りに誰と一緒に行くかが重要だった。電話1本かけるにも、「いまかけたら迷惑だろうか」、「お母さんが出たらどうしよう」と大騒ぎだった。好きなくせにいじわるしたり、無視したり。照れくさくて、ややこしい毎日だった。学校の下駄箱、放課後の図書室、校庭の隅……。『小さな恋のものがたり』の最終巻を読みながら、記憶は、懐かしく、遠くなったその場所を旅しておりました。ページを繰るごとに、チッチの横に、あの頃の自分が、クラスメイトが見えるようでした。サリーのうしろから、大好きだった先輩が、ケンカばかりしていた幼なじみがのぞいているようでした。

今回の取材を通して会えたのは、30年来の思い人、みつはしちかこさんと、13歳当時のわたし。うれしく、楽しい出会いでした。

みつはしちかこさんには映画のお話を聞いています。おすすめいただいた作品は、どれも王道のラブロマンス。小さな恋を描き続けた作者が選んだ3つの壮大な恋物語、その全容はぜひ次号でご覧ください。さすが! と思わせる名台詞がざくざくですよ。