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インドの山奥、ダージリンは深い霧に包まれていました。取材チームの車が悪路でパンク&立ち往生……。 |
なぜウーロン茶は有料なのに、
日本茶はタダで出てくるのか。
取材しながらそんなことを考えていました。レストランでコーヒーや紅茶を注文したら、タダということはありませんね。でも和食店でお茶一杯ごとの料金を取られることは、あまりないでしょう。寿司、そば、天ぷら、うなぎ屋などでも。けれど、そこでウーロン茶を頼んだりすると、これがたいてい有料なのだからフシギです。紅茶もウーロン茶も日本茶も、お茶はお茶。そこに違いはありません。同じように手間もかかっているし、いいものはやはり少ないのです。
もちろん、だから日本茶をどこでも有料に!というわけではありません。むしろ和食でお茶が出てくるのは伝統的なサービスでしょう。ただしタダで当然、みな一緒、と思っていたものにも実は個性があり、選ぶ楽しみがちゃんとあるのだ、ということはまだあまり知られていないように思います。
考えてみれば水も「ミネラルウォーター」と呼ばれる前まではそうでした。まして、お茶は人が手をかけて作るもの。トップクラスの生産者によるお茶は、飲めば「なるほど、こういうものもあったのか」という力がある。紅茶でも、日本茶でも。だからワインやコーヒーの特集と同じように今回も繰り返しましょう。知らずにいるのはもったいない、ですよ。
●渡辺泰介(本誌担当編集)
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立石さんの奥様、保子さん手作りのお茶の友。筍、きゃら蕗、高菜漬け。どれもホントおいしかったです。
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♪ニッポン茶チャチャチャ、
紅茶もチャチャチャ♪
鬼も十八、番茶も出花。ま、私のホントの年齢についてはお茶を濁すことにして……。今回の特集は、「酒は酒屋、お茶はお茶屋」ということで、日本茶については〈しもきた茶苑大山〉大山拓朗十段、紅茶については〈リーフル〉山田栄さんを師と仰ぎ、何度も通ってレク茶じゃなくてレクチャーを受けるところから始まりました。2人とも熱いのなんの。語り始めると留まるところを知りません。教われば教わるほど、その「茶熱」はフェーズ6の勢いで私たちにも感染し、深淵なるお茶の世界にずぶずぶと引き込まれていったのでありました。そして、毎日なにげなく飲んでいる日本茶にも紅茶にも、確実に新しい時代が訪れていることを知ったのです。それからが大変。どう伝えるのか。1つ1つの取材が、お茶の子さいさいという訳にはいきませんでした。スタッフ全員、一瞬たりともお茶を挽いているヒマはなく、「お茶漬け」の日々だったのでした。茶っと、いや、ちょっと、「茶」言葉に疲れたので、和み話を1つ。玉露日本一の立石安範さんの取材で伺った星野村で、〈スナック茶柱〉を発見。いいですねぇ、このネーミング。思わず、記念撮影をしたのでありました。茶柱といえば、表紙に注目。左側のスマイルマークの目。あれ、ホントに茶柱立ってるんですよ。立つ茶柱と浮く茎の競演。買えばきっと、いいことありますよ。
●渡辺紀子(本誌担当ライター)
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ちょっと人格変えてみました。1976年のポパイ創刊から100号までのフロム・エディターズという巻末コラムをセレクトした文庫「編集者の時代」を読み終えたばかりだからです。気分を集中して、あの頃の雰囲気を想像してなりきってみました。「編集者の時代」は雑誌へのノスタルジーじゃありません。古い新しいでもなくて、起きていること、起こりつつあることを、どん欲につかまえるスゴイ人たちの記録です。久々に興奮しました。読んでみてください。ブルータスと一緒にお求めください(笑)。『編集者の時代』マガジンハウス文庫 税別600円。
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from editors 2009.06.15
誰も知らない日本茶、紅茶の世界。
▶お茶特集の取材が始まって、編集部はかなりあわただしくなってきた。日本茶と紅茶の飲み過ぎなのか、取材チームは少々興奮気味だ。あちこちと動き回る者にエネルギーは貯まるものだ。道理で、日々、新しいニュースが飛び込んでくる。
▶紅茶取材では、銀座のリーフル店主、山田栄さんとインドに飛んだ。山田さんの店は、トップソムリエやシェフが自分の店で出すダージリンを買いに来るトップ中のトップ。日本の紅茶文化を育ててきた彼女と共に、紅茶の真実を確かめるために会ったのは、クリシャン・カティヤル氏だ。
▶「この10年で紅茶の質はどんどん向上している」とカティヤル氏は語ってくれた。その成長を支えているのは、と聞くと、「消費者の好奇心だ」との答えがかえってきた。「好奇心は知識へと変わるのだ」。うれしい言葉ではないか。
▶日本茶取材では、日本に4人しかいない茶師十段に会うことができた。皆、一様に若く、個性的で、熱意にあふれている。彼らが作るのは高い日本茶ではない。100g1000円程度の日常的な価格で、どれだけ最高の日本茶をブレンドできるか、そのために毎日のすべてを注いでいる。どうやらお茶の世界にも、変化の兆しが見えてきた。編集者が色めきたつ瞬間というのはこういう時なのだ。
▶現代は何をとっても、選択肢が多い。手を伸ばせば、誰でもよいものを手に入れられるように思えてしまう。そこが、落とし穴だ。本当にいいものは検索にひっからないことに気づいてほしい。先端ではもっと新しいことが、新しいルールが着々と生まれているのだ。そしてそこには、好奇心をカラダに溜め込んだ人間でないと、たどり着けない。
▶読者は2年前のコーヒー特集を覚えておられるはずだ。産地を限定したスペシャルティコーヒーをどこよりも早く正確に伝えた特集だ。2年たって見廻してみれば、どこもかしこもスペシャルティコーヒーを追いかけている。先端で起こっていることを、嗅覚するどくかぎわけて“追いついた”だけのことだが、少しニヤリとするくらいは許してもらいたい。それが雑誌のおもしろさだ。
▶紅茶は「単一農園」、日本茶は「茶師のブレンド」。ブルータスが行き着いたのがこのキーワードだ。そこにたどり着くまでの冒険の数々は、発売中のブルータスをぜひ見て欲しい。日本茶、紅茶の聖地を辿り、ソムリエと三つ星料理人によるテイスティング、基礎知識から正しくおいしい茶の入れ方。欲張りな編集部は、お茶請け(?)の抹茶ロールテイスティングまでやってしまった。
▶先日、赤坂のとあるフレンチに招待された。この先の特集に関わる重要な相談事は、1日1組限定の取材拒否の店で。古い店なのだがネットにも出ていない。スナックのような飾り気のない狭い店だから、シェフはわれわれの顔を見ながら料理を出す。その料理についてはいつかお話しできるかもしれないが、いま話しておきたいのは最後に出された紅茶のことだ。
▶ファーストフラッシュ。濁りのない水色。味は紅茶とも日本茶とも烏龍茶とも思える、雑味なく、軽く、そして強く。思わずどこで仕入れているか聞いてみた。シェフは何を当たり前のことを、というように「リーフルですよ」と答えた。
▶時代の先っぽでは、少なからぬ人たちが、いっぱいの好奇心を持って、よりおもしろいもの、より進化したものを求めて進んでいる。読者の皆さんも、新しい日本茶、紅茶の世界を楽しんでほしい。そして、一緒に発見をしようではないか。世の中のおもしろさを引っ張るのは、いつもブルータスの読者たちなのだ。
Come join us!
●西田善太(ブルータス編集長)
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【SPECIAL CONTENTS】
芝田山親方×酒井順子。抹茶スイーツ3番勝負。 |
国内外問わず、空前の抹茶スイーツブームが到来しています。そこで、芝田山親方と酒井順子さんのおふたりに「日本一の抹茶スイーツ」を決めてもらうことに。抹茶大福、抹茶ロール、抹茶ノンジャンルの3分野に分けて、それぞれのベスト1を決定しました。本誌では、エントリーした全36品を紹介しています。ここでは、ふたりが評価したスイーツを各ジャンル1つずつご紹介。さて、ここで紹介する6品はベスト1に輝くのでしょうか? 1位の行方はもちろん、詳しい説明や問い合わせ先、他のスイーツについて知りたい方は、ぜひ本誌をご覧ください!
※それぞれの部門にあるスイーツ画像をクリックしてください。おふたりが高く評価したスイーツが分かります。なお、スイーツ名についている数字は、本誌の数字に対応しています。
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芝田山親方
1962年北海道生まれ。現役時のしこ名は大乃国。78年初土俵、87年横綱昇進。現役引退後、99年芝田山部屋を設立。現在、親方として弟子育成に努める傍ら、角界きっての甘党としても知られる。著書に「全国スイーツ巡業」など。
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酒井順子
高校時代から雑誌にコラムを執筆。広告代理店勤務を経て執筆活動に。品格ある文章ながらピリッと一刺し効いた辛口コラムには、根強いファン多し。新刊『ひとくちの甘能』の解説を芝田山親方に語り下ろしてもらったばかり。著作多数。
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