マガジンワールド | ブルータス - BRUTUS | 667
  • 目次 & SPECIAL
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No.667 CONTENTS

features

018 列車で行こう、どこまでも。
ニッポン鉄道の旅。
020 消えゆくものと、進化するもの。
022 走り続ける新幹線の生涯。
028 絵で見る列車の系譜1〈新幹線編〉。
030 鈴木京香、新幹線で移動中。
034 時空を駆けるブルートレイン物語。
040 星野 源、北斗星乗車紀行。
046 絵で見る列車の系譜2〈ブルートレイン編〉。
048 知って得する、尊敬される、新幹線&ブルトレクイズ。
051 ニッポンの名駅弁47。
070 この夏乗りたい、ジョイフルトレインBEST10。
074 鉄道好き著名人30人に聞いた、私の好きな鉄道の話。
080 土佐の町を、路面電車が行くよ。
082

ブルータス特別版 新鉄子の旅/横見浩彦流乗り鉄の心得。

084 絶景を切り取る、鉄道写真家、渾身の1枚。
088 祝・JTB版1,000号にして問う。時刻表は本当に必要か?
090 鉄道グッズを巡る旅。
092 一度座ってみたい、ザ・運転台!
094 読み鉄。
098 内田百閒の鉄道偏愛紀行『阿房列車』の旅とは?
100

日本を再発見させた鉄道広告の原点。

  特別付録
ブルートレインヘッドマークシール
 

regulars

011 Et tu, Brute?  「オリヴィア・ワイルド」ほか
063 Brutus Best Bets 新製品、ニューオープン情報
110

人間関係 386

写真/篠山紀信『逃げた魚は大きい』宮沢和史、キマグレン

113 Begin Your Journey 019 横浜港シンボルタワー×TOYOTA PRIUS
115 MIX & MASH
「西川美和」ほか
124 BRUT@STYLE 214 Lonesome Journey
128 グルマン温故知新 298 アウグスビアクラブ/ブルスカ
130 みやげもん  072 わら細工の羊/次号予告
107 定期購読募集
109 BRUTUS BACK ISSUES
 
【SPECIAL CONTENTS】
ヘッドマークで振り返る「ブルートレイン」

精悍な青い車体で日本中の夜を駆け抜けた「ブルートレイン」。かつては少年たちの憧れだった寝台特急も、新幹線などの高速交通網の拡大により消えつつあります。そんな「ブルートレイン」半世紀の足跡を、象徴的なヘッドマークで振り返ります。本誌で紹介された24個の中から5つをご紹介。魅力的なヘッドマークのデザインを堪能すると共に、ブルートレインの歴史についても学びましょう。(それぞれのヘッドマークをクリックしてください。ブルートレインの詳しい説明が読めます)

illustration/Mitsutomo Ishii

From Editors 1

こちらの写真は私が撮った素人写真です。その日、東京駅には電車好きの3千人が集まったそうです。


2009年3月13日18時03分、
その時、列車が動いた!

「もうすぐ東京駅発のブルートレインが消えてしまう!」 その話題をニュースで観た時、「逆にまだ走っていたんだ」というレベルの鉄道知識でスタートした今回の特集。北斗星には乗った事はあるのだが、確かにあれは上野発だったなーと、ぼんやり思っていると、その日、3月13日(ブルートレイン「富士・はやぶさ」最後の東京駅出発の日)は突然やって来た。一応、写真でも撮りに行っておくか、という軽いノリで、最終ランとなる東京駅に発車の1時間前、17時に到着する。まあ、結構、いわゆる鉄道オタクの皆さんが集まってるんだろうなと思いきや、結構どころか、まだ電車も入線していないのに、もうホームに入りきれないくらいの人で溢れかえっている。出発ホームはもちろん、その左右のホームまでカメラを持った人でぎっしり。まるで初詣の明治神宮くらいに盛り上がっている。僕とカメラマンはいわば元旦中継の球児好児、またはテツ&トモくらいに舞い上がってしまう。聞けば2、3時間前から場所取りでこんな感じらしい。まずい、完璧出遅れている。

やっとこさで同行したカメラマンの藤田くんにベストポジションへ潜り込んでもらい、僕は後ろからその様子を激観。あっちこちで、ポジション争いの軽い小競り合いが起きている中、我が希望の星、カメラマン藤田氏に重大な問題が発生していることに気づく。フィルムのカメラで撮ってるのは、見渡す限り彼だけなのだ、しかも手持ちで中盤のハッセル。陽もどんどん落ちて来て、三脚を立てれば問題ないのだが、そんなものが立てられる状況ではまったくなし。ストロボを焚いてしまっては、雰囲気は台無しだ。周りの鉄道愛好家たちは、皆、結構高そうなデジカメで、この世紀の瞬間を写真に納めよとしている。時代はデジタル。アナログなカメラでは、どう考えてもブレてしまう。さらにギュウギュウ詰めの明治神宮初詣状態の今、陽も完全暮れはじめた時、主役の「富士・はやぶさ」が入線してきた。絶体絶命のピンチなのである。

その時、奇跡が起こった。カメラマン藤田氏の前でしゃがんで必死にカメラを構えていた、キャップを前後逆さに被っていたひとりのベテラン鉄道ファンが、振り向いて言った。「お前、そのままじゃ絶対ブレるぞ。俺の頭の上にカメラを置け!」 なんということか、自分は必死にデジカメで写真を撮りながら(アマチュア)、後ろのアナログカメラマン(プロ)に、微動作もしない自分の頭を三脚代わりに使えとは! この話、長い割に面白いのか、疑問ですが、とにかくそんなメチャクチャな状態で撮れたミラクルショットが巻頭のページでドーンと見開きで使われています。この特集を、あのナイスミドルな鉄道ファンに捧げます。

 

●木下孝浩(本誌担当編集)

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From Editors 2

松本零士先生の地元、西武線大泉学園駅では『銀河鉄道999』の車掌さんがお出迎え。西武線では、先頭車両にメーテルの顔を大胆に描いた「零士号」も不定期で運行しているそう。


鉄道好きの熱い言葉が、
一瞬の「列車の旅」へと誘う。

「漫画とまったく同じだ…」
こんな不思議な人いるはずがない、面白くするためにきっと誇張しているのだろう。息つく間もなく話し続ける横見浩彦さんを目の当たりにするまでは、そう思っていました。横見さんとは、「テツ(=鉄道ファン)」の存在を世に知らしめ、その裾野を広げたとされる漫画『鉄子の旅』でナビゲーターとして登場する「乗り鉄」のカリスマ(現在『新鉄子の旅』でも活躍中)。走り出したら止まらない、超特急のように語りまくる。時に身振り手振りを加えて、時に声が裏返るのもおかまいなく話を展開する。こう書くと、独りよがりに思われがちですが、それは大きな誤解。横見さんの話には臨場感があり、聞いていると情景が浮かび、「この列車に乗ってみたい」と一瞬の「トリップ」に誘ってくれるのです。

今回、たくさんの鉄道好きの方に話を聞いたのですが、みなさんそうでした。彼らの言葉には愛情と描写力があります。74ページからの「私の好きな鉄道の話」をぜひ読んでみてください。乗ったこともない列車が、生き生きと頭の中の線路を駆け巡るはずです。個人的には、松本零士さんの話が印象的でした。18歳の頃、松本さんが上京の際に乗ったというSL。取材中、そのSLに同乗しているような錯覚に陥り、もくもくとした煙の匂いまで漂ってくるようでした。

最後に、横見さんについてもうひとつ。最果ての駅での「乗り鉄」の禅問答的な葛藤を知ると、「テツ」が愛おしくなること間違いなし。82~83ページの横見さんインタビュー、必見です。

 

●山口 淳(本誌担当編集)

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From Editor in Chief

これがホントの、きかんしゃやえもんだ! しばらく渋川駅に停車して、記念撮影対応してくれました。

ちょっと時代からはぐれがちな気分が、
“鉄道♥”を盛り上げるのです。

今日はちょっと忙しめ。これを書き終えたら渋谷で展示会、絵画館でブランド発表会を経て、白金のスタジオでお取り寄せ特集の準備。こんな込み入った予定も、ネットの路線案内でさくさく効率よく検索です。

便利です。昔はどうやって移動していたのか思い出せない。時間の無駄なく、すいすいすい〜と都会を泳いでいます。

泳いでる…。泳げてる、のかな?


ネットの路線案内をするようになって、いつも焦ってるような気がするんですよ。効率よすぎて、あまりに正しすぎて、1本逃すと途方にくれる。「ゆっくり歩く」「小走りに歩く」、ポップアップウィンドウで選択しながら、「いや、それはそんときの気分だから」と呟く自分もいたりする。

昔はどうやっていたのか。そうだ、来た電車に乗ってたんだ。時間があいたら、ホームのベンチでマンガ読んだり、ボーッとしたり、腰に手を当ててkioskでコーヒー牛乳飲んでた(これはちょっとウソ)。

今回の特集はブルートレインと新幹線から始まります。ノスタルジーと未来が同居する鉄道の世界で、スピードだけじゃない、移動のプロセスが楽しい、ちょっと時代とはぐれがちな気分を見つけようと思いました。

そういえば、春先にハラミュージアムアークに行った帰り、渋川から高崎まで蒸気機関車に乗りました。偶然に時間がぴったりあったのです。特別運行の、しかもデゴイチ(D51)。機関室にも入れてもらって、石炭入れる真似して記念撮影しました。加速も遅いし、最高速も知れたものだけれど、かわりに車窓から夕陽を楽しめた。この偶然は路線案内の検索では出てこないです。

 

●西田善太(ブルータス編集長)

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