マガジンワールド | ブルータス - BRUTUS | 687
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No.687 CONTENTS

features

016 ジェフ・クーンズ×村上隆
マネの魅力って何ですか?
018 印象派、わかってる?
020 マネ ルックスは超ダンディ、絵は超過激。
024 モネ 印象派の中の印象派!
028 モリゾとマネ カンヴァスの上で交わされる友愛。
030 ルノワール 人生は楽しむべし!
036 ピサロ 印象派の長老にして、若者たちのまとめ役。
038 画家と妻たち 画家の妻になるのは楽じゃない。
040 ドガとカサット 現実を直視するレアリスト。
044 スーラとシニャック 小さな色点で画面を埋め尽くす。
060 セザンヌ ピカソが「みんなの父」と呼んだ画家。
066 ゴッホとゴーギャン アルルの悲劇。
070 ベルナールとセリュジエ ゴーギャンを師と仰ぐ若者たち。
034 画家たちが生きた時代1 サロン展、普仏戦争、万博
046 画家たちが生きた時代2 夜の歓楽、社交の愉悦
072 画家たちが生きた時代3 鉄道、チューブ絵の具、写真
074 印象派イヤー到来!
2010年、日本で見られる印象派関連の特別展14
075 BOOK IN BOOK
ゴッホ。彼こそ画家なり。
Vincent Van Gogh
087 印象派、ポスト印象派…日本にこんなにあったのか⁉
国内収蔵作品リスト 全550点
092 パリ・カルティエ現代美術財団で『Gosse de peintre-絵描き小僧』展が開催中。
北野武スペシャルインタビュー
 

regulars

009 Et tu, Brute?  「ガボレイ・シディベ」ほか
051 Brutus Best Bets 新製品、ニューオープン情報
106

人間関係 406
写真/篠山紀信『シネマシマイ』安藤モモ子、安藤サクラ

109 Begin Your Journey 039 VOLVO C30
111 SUPREME BRUTUS
「矢内原美邦」ほか
120 BRUT@STYLE 232 Night Walk
124 グルマン温故知新 318 モノリス/ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー
126 みやげもん 092 滝宮天満宮の木鷽/次号予告
101 BRUTUS BACK ISSUES/定期購読募集
 
【SPECIAL CONTENTS】
突撃! 隣の印象派!
「ポスト印象派」の代表的な画家・セザンヌ。彼が最晩年の4年を過ごした南仏エクス=アン=プロヴァンスの丘の中腹にあるアトリエは今でも大切に保管されています。100年前の雰囲気をそのままに残した画家のアトリエを少しだけご紹介。そのディテールには、セザンヌの作品につながるポイントや、彼のキャラクターを思わせるしつらいが見られます。部屋のディテールについてはもちろんこと、セザンヌについての解説、彼の作品が掲載されている本誌が読みたくなりますよ。
From Editors 1

エクス=アン=プロヴァンス。セザンヌのアトリエ。「自然を円筒、球、円錐によって扱いなさい」

百年以上昔の画家たちに導かれて、
旅をさせられている自分がそこにいる。

ブルータス創刊の頃(1980年)、美術展の開催場所は主にデパートだった。今でも美術企画はときどきあるけれど、かつてはデパートがそれぞれ「美術館」「ギャラリー」を持っていて、そこに名画がやってきた。場所柄、動員やイメージアップに効きがいいのはやはり印象派・ポスト印象派・エコール・ド・パリの画家たちの展覧会ということになる。

僕は人より多く絵を見ていたものの、研究者になろうとか、美術を仕事にしようとは考えず、ただ、いつかはヨーロッパに行って絵を見たいと思いながらデパートに通っていた。そして、印象派の画家たちが活躍したおよそ100年後、僕はパリにいた。まだオルセー美術館はなくて、彼らの作品は「印象派美術館」(Jeu de Paume)で見た。飛行機はアンカレッジで給油し、1フラン(当然ユーロではない)は約50円(といってもわかりにくい。1ポンド=500円くらい)した。

それから何十回ヨーロッパに行ったかわからない。今回、オランダと南フランスを巡った。ゴッホが、ルノワールが、ゴーギャンがいた場所。画家はここにイーゼルを立てたのだ。このカフェで休んだのだろうか。セザンヌのアトリエに足を踏み入れたとき、こういうものが、僕をずっとヨーロッパに向かわせているのだとあらためて思った。

 

●鈴木芳雄(本誌担当編集)

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From Editors 2

マネ「横たわるベルト・モリゾ肖像」(1873年) ベルト・モリゾは、姉エドマと一緒にルーブル美術館で写生をしていた時にマネと知り合い、彼の弟子兼モデルとなった女性画家。印象派の父・マネは、ピストルズやクラッシュに衝撃を与えたパンクの始祖・ラモーンズみたいな存在か? ここで一首。「マネ真似て、モネ・ドガ・セザンヌ、ルノワール。モリゾの瞳ぞこれぞ印象!」 季語なし!? アヴァンギャルドです(笑)、1・2・3・4!


「印象派」はそもそも蔑称だった?
19世紀パリ、反逆児たちの熱き交流。

美術の教科書などで聞いたことがあったせいか、「印象派」というネーミングからして、なんだか権威的に思えてとっつきにくいなと。ところが、「印象派」は当時の評論家による「蔑称」から始まったと知って驚きました。「PUNK(チンピラ)」と自ら名乗ったパンク・ロックのレジェンドたちと同様の態度だと感じ、俄然興味が湧いてしまったんですよね。己の不勉強を棚上げしといて今更なんなんですが(笑)。

モネの「印象・日の出」の作品タイトルをネタに、「単なる印象にすぎない集まり」と評論家にこきおろされた若手画家たちのグループ展が、その酷評を逆手に取って、「印象派展」と自ら名乗り始めてしまうところに、彼らのパンク魂、もとい熱き印象派スピリットを感じてしまうのです。

実は日本の美術館には印象派や同時代の画家たちの絵画がとても多い。そこで、各美術館にお願いして印象派関連の「日本国内収蔵作品リスト」を作成して掲載しましたが、なんと550点も収蔵されていました。また、今年は印象派関連の特別展もマネ展、ボストン美術館展を始め14箇所で開催され、空前の「印象派イヤー」です。ぜひ「生」をご覧ください。触れなきゃわからないライブな感動があります。きっと「印象派」の印象も変わりますから。

 

●黒岩広義(本誌担当編集)

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From Editor in Chief

印象派特集号には「北野武スペシャルインタビュー」もあります。現在、パリ・カルティエ現代美術財団で開催中の個展会場でインタビュー。「俺はアートと言われる領域に、子供のいたずらみたいなものを平気で入れられる」。これもアートをつくる人間の物語です。


構想1年。
絵だけでなく画家そのものを語る特集です。

ブルータスは特集あたりの人数を絞るかわりに、時間をかけるのが、他誌と違うところです。編集2~3人が基本で、3~4か月は動きます。印象派特集の入稿が佳境を迎えるころ、担当チーム(2人)は労作「日本の印象派リスト」の確認で目が血走っている。その横では、ひとつ前のポップカルチャー班(3人)が膨大な色校の校正作業。次の食特集(3人)は夏の別企画も同時に進めるので、喧噪を避けて廊下で打合せ…などなど。

アート特集は人気ものですから、特に時間をかけます。
「日本人がなぜか好きでたまらないのが印象派。いつかやりたいんだよ」とフクヘン。から言われたのは昨年の春ですから、「印象派、わかってる」特集は構想1年ということになります。

マネ展、ボストン美術館展、オルセー展などなど、今年は日本全部が印象派。お祭りですから、テレビも雑誌も新聞もこぞって特集したらいい。入門でも応用でも切り口はいろいろです。ブルータスはオルセー展開始のタイミングで、堂々の登場とさせてもらいました。

ひとつかみにわかった気にさせる流行りに、少々飽きています。だから、今度の印象派特集は、画家たちの人間関係にも踏み込んだドラマチックな作りになりました。絵を見ながら、描いた人間の話ができる。

構想1年ですよ。ゆっくり読んでください。

印象派、わかってる? わかったでしょ。

 

●西田善太(ブルータス編集長)

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