ブルータス - BRUTUS | 715

マガジンワールド|株式会社マガジンハウス
 

No.715 CONTENTS

features

020 ジープ島
吉祥寺から無人島へ引っ越した、ある男の物語。
024 たとえば、いま、あなたが
都会を離れて
島で暮らすとしたら。
026 奄美大島
必要なものは何かを問いかける、島の時間。
032 小豆島・男木島・直島
アートが生活に溶け込む、瀬戸内の暮らし。
038 新島
居住地のひとつは、太平洋に浮かぶ東京の島。
040 小値賀島
島の暮らしは、体験しないとわからない。
044 メノルカ島
地中海の小島で築く、2人の家と絆。
048 ソルトスプリング島
島ガール? いいえ、“泥ガール”です。
054 島と名建築/マラパルテ邸
055
特別付録
島暮らし HOW TO BOOK
067 島と名建築/ 夏の家(コエ・タロ)
068 沖縄本島
なぜ、沖縄は人を惹き付けるのか?
074 中ノ島
若者が続々と移住する、奇跡の島の奇跡の理由。
078 伊豆・小笠原諸島
17日間11島。東京離島巡り。
082 島と名建築/D-VILLA
 

regulars

011 Et tu, Brute?  「クリスティーナ・リッチ」ほか
095 Brutus Best Bets 新製品、ニューオープン情報
106 人間関係 434 写真/篠山紀信
『早めの晩餐』布袋寅泰、大地真央
109 クルマのある風景 13 「カンパーニャモータース V13R」(撮影/笠井爾示)
111 SUPREME BRUTUS 「スコット・スタンバーグ」ほか
120 BRUT@STYLE 258 Alternative Life
124 グルマン温故知新 346 スゥリル/シャントレル
126 みやげもん 120 犬筥/次号予告
091 BRUTUS BACK ISSUES/定期購読募集
 
【SPECIAL CONTENTS】
島暮らしの第一段階、それは島をイメージすること。
想像力をかきたてる、島にまつわる本たち。
特別付録「島暮らしHOW TO BOOK」は、本気で島に住みたくなった人に向けた、いわば「島の入門書」。その第1ステージとして、島暮らしをイメージするための本を16冊、紹介しています。セレクト&文は、沖縄・宜野湾で〈カフェ ユニゾン〉をプロデュースする作本家の三枝克之さん。ここでは、その中から半分の8冊をご紹介します。島に住みたい欲がぐわっと増すこと、間違いなし!

●みえだ・かつゆき/作本家。宜野湾市でカフェを経営。主著作に『風に聞いた話〜竜宮の記憶〜』などがある。今回の特集のP.66以降にも登場。

From Editors 1

ミクロネシア連邦にある絶海の孤島・ジープ島で出逢ったハナエちゃんと犬のジープ。ハナエちゃんはこの9月から小学校に上がるのでこの島を出なくてはならないということ。「もう少しこの島にいたいのにな」とさみしげに話していたのが印象的でした。

島に住むように、暮らすこと。
イスロマニアのススメ。

担当編集の田島です。島が好きです。とにかく島が大好きでたまりません。ブルータスに異動したての24歳の秋、ここで何の特集がしたいんだと当時の編集長に聞かれた私は「島に行きたいです!」と答えました。あれから12年後、気がつけば同じ答えを今の編集長にしていました。苗字が「田島」だからなのか、幼少期を「広島」で過ごしたからなのか(関係ないと思いますが)。で、今回の特集を創っていて知ったのですが、そういった人のことを「イスロマニア」というらしいです。要は島フェチですね。イスロマニア。うん、なんだかいい響き。初出はロレンス・ダレルの小説『予兆の島』で、「どういうわけか島に食指が動いてしまう人」の「病名」とのこと。び、病名……でも、やっぱりいい響き。

今回の特集には、そんなイスロマニアたちが多く登場します。都会を離れて、島で暮らすことを選んだ人々。島が好きで好きでたまらない人々。島との関わり方も、移住に二拠点居住、長期滞在とさまざまです。かといってこの特集は、島への移住をことさらに推奨する内容でもありません。まずは特集タイトルにもあるように「たとえば、いま、あなたが、都会を離れて、島で暮らすとしたら。」と想像してみてください。広い空や、吹き抜ける風や、眩しい海や、ゆったりとした時間や、人々との触れ合いや……。そうして島が恋しくなってしまった人は、もう立派なイスロマニアです。まずは特集の中から気になる島を選んで、1週間ほど島での時間を過ごしてみてください。そのあとは、本気で島への移住を考えるのも、都会で“島に住むように暮らす”方法を模索するのも。

今回の表紙でもある、ミクロネシアの無人島・ジープ島に移り住んだ吉田宏司さんがこんなことを言っていました。「島を見渡して、どうしても必要なものを少し持ち込むだけでいい。それが島の距離感だ」と。穏やかな島の情景を、ココロに持ち続けること。その心構えが、これからの私たちの毎日を楽しく彩ってくれると信じて、この特集を贈ります。

 

●田島 朗(本誌担当編集)

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From Editors 2

島根県中ノ島を離れる際、船の甲板から発見。「ありがとう。またきてね」のしゃもじを持って見送ってくれた島の人。もちろん取材用ではなく、中ノ島を訪れた全員に向けたメッセージ。心が温まる光景。

海で囲まれた大きな“家”に住むのなら、
忘れてはいけない2つのこと。

沖縄の宜野湾市にある〈カフェ ユニゾン〉のオーナー、三枝克之さんと話していたときのこと。「沖縄に移住してくる人の中でも、自分がやりたいことだけをしようとする人は程なくして島を去ってしまいがち。不思議なんですけど、島に嫌われてしまうんです。長く住み続けているのは、島や島民のために何かをしようとする人」と言う三枝さんは、東京や京都での生活を経て沖縄本島に移住してきた人のひとり。

「“こういう民宿がやりたい!”という自分の使命感みたいなものを押し付けずに、どこか島の雰囲気と同じような“隙”をつくることが大事です」軽井沢と東京23区内にも居を構えながら、新島で民宿&カフェ〈saro〉を営む、高野要一郎さんは語ります。

「ふらっと散歩に出ると、ずっと島に住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんと世間話をする。気づけば1~2時間くらい経っているんですけど、島の先人から学ぶことは多くてすごいなぁと思う。この尊敬の気持ちは大切だと思います」とは、東京から小豆島へ移り住み、棚田の真ん中で〈こまめ食堂〉を運営する連河健仁さんの言葉。

「島暮らしで大事なことは?」と尋ねて、ほぼ全島で聞けた回答は、上記のような「自分の価値観は控え目に」と「島と島民を尊敬すること」のふたつ。まわりを海に囲まれた“島”は、いわば大きな“家”。突然の来訪者は、家のしきたりを尊重しなくてはならないし、そこに住む大家族には敬意を持って接しないと良い関係は築けません。でも、一度“家”に迎え入れてもらうことができたなら、人生を豊かなものにしてくれる島ならではの経験や感動がたくさん待っているのです。今回会った移住者たちの穏やかな表情と楽しそうに話す姿が、何よりの証拠。

今号で気になる島を見つけたら、ちょっとだけ“お邪魔してみる”のはいかがでしょうか。お茶でも飲みながら島の人たちと語らうことが、これからの人生を変えるきっかけになるかも知れません。

 

●阿部太一(本誌担当編集)

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