ブルータス - BRUTUS | 717

マガジンワールド|株式会社マガジンハウス
 

No.717 CONTENTS

features

038 STYLEBOOK 2011-12 A/W モードとアーカイブ。
What is Your Archive?
040 Seven Archives  7人の私的アーカイブ。
054 The GENTLEMAN'S ARCHIVE
070 黒ブチメガネのアーカイブ。
074 モードのアーカイブ。
076 古典ピッケルのアーカイブ。
078 進化するアウトドアギアのアーカイブ。
080 名作スニーカーのアーカイブ。
082 プレッピーの今昔アーカイブ。
084 ヴィンテージデニムのアーカイブ。
086 鞄で運ぶことのアーカイブ。
088
ゲンスブールのアーカイブ。
090 スタイルを作ったスケーターのアーカイブ。
092 シュプリームのアートデッキアーカイブ。
094 ニューヨーカーのアーカイブ。
100 ジャック・スペードのアーカイブ。
102 BBB SPECIAL
122 COACH 70th Anniversary
伝統と革新が息づく、コーチのアーカイブ。
134 ARCHIVE for GUCCI 90th Forever Now
グッチが語り継ぐ、ホースビットモカシンとラゲージ。
144 BALLY 160th Anniversary Heritage & Evolution
バリーが先駆けた広告と技術を紐解く。
148 The New Zealand
A Moustached Kiwi Man
In The Land Of The Long White Cloud
172 白く長い雲のたなびく地、ニュージーランド。
174 Long For Them
184 Nerd Boyfriend_UNITED ARROWS
 

regulars

027 Et tu, Brute?  「レイトン・ミースター」ほか
230 人間関係 436 写真/篠山紀信
『ヌーヴェルヴァーグたち』木の実ナナ、なだぎ武
233 クルマのある風景 15 「ボルボ S60」(撮影/川内倫子)
235 SUPREME BRUTUS 「和田誠」ほか
244 グルマン温故知新 348 晴山/雨後晴
246 みやげもん 122 乙川人形/次号予告
227 BRUTUS BACK ISSUES/定期購読募集
 
【SPECIAL CONTENTS】
スノビズムとエレガンス漂う男、セルジュ・ゲンスブールのアーカイブ。
憧れのファッションアイコンの1人として今も根強い人気を誇るセルジュ・ゲンスブール。彼の着崩しスタイルを構成するアーカイブは、どれも今でも比較的手に入りやすいもの。ここでは、そんなセルジュのアーカイブを紹介。もちろん、これらを揃えたからって彼のような色気ある男になれるかどうかは別の話ですが…
From Editors 1

フランク・リーダーは彼のやり方でガリツィアをアーカイブした。詳しくは本誌52-53ページで。

モードとアーカイブと、
アーミッシュとガリッツア。

今回、ファッション特集のテーマをアーカイブとした理由に、ルイ・ヴィトンとフランク・リーダーの秋冬コレクションの影響がある。

まず、ルイ・ヴィトンは秋冬のコレクションテーマに「アーミッシュ」と「デヴィッド・リンチ」の世界観を提案した。リンチの妖艶でミステリアスな世界観はイメージがつく。問題はアーミッシュだ。彼らの身につける簡素な服は、シャツ、ジャケット、パンツを基本とした、白と黒のモノトーンスタイルで、宗派が誕生した1693年以降、ほとんど変化がない。特徴的なディテールは、ボタンではなくフックやサスペンダー、帯のようなベルトを用いる。ルイ・ヴィトンはそれらをコレクションのデザインソースとした。しかし、装飾的な服装を徹底的に嫌うアーミッシュのスタイルを、なぜルイ・ヴィトンは敢えてコレクションのテーマに掲げたのか非常に興味が湧いた。出来る事ならば直接デザイナーにその訳を聞いてみたい衝動に駆られたが、まあデザイナーもいろいろ忙しいと思うので、自分なりに考えてみるに、移り変わりの激しいモードの世界だからこそ惹かれるのは、昔から何も変わらない独自のスタイルを持つものなのかなと。

もうひとつはフランク・リーダーのコレクションテーマ、「ガリツィア」。ガリツィアとは、1700年代後半から存在し、ポーランド、オーストリア、ハンガリー、そしてロシアといった国々の争いによって、度重なる侵攻が行われ、結果的には第二次世界大戦後に消えてしまった東欧の街。さまざまな人種と文化が入り交じった、そして今は無き地に思いを寄せ、時とともに忘れられた場所をファッションとして蘇らせる、なんともフランクらしいコレクションテーマだと関心した。

変わらないものと、消えていくもの。これらの事象を忘れないために、必要なのはそれらをアーカイブするという行為。多分、ルイ・ヴィトンのデザイナーもアーミッシュについてのアーカイブを紐解いただろうし、フランクは実際、今回のブルータス誌上でも、ガリツィアについての彼のアーカイブを公開している。アーカイブというのは単にコレクション(蒐集)することではなく、物事の事象を理解することである。今回の特集では、アメリカのミリタリーウエアや、アンティークの革靴など見応えのある私的なアーカイブも多数掲載されている。それらは単なるコレクションとは違い、それらが使われていた時代を理解して、新たなものを産み出そうとする重要な資料だといえる。2011年、新しいモードの一部は、確実に過去のアーカイブから産まれている。

 

●木下孝浩(本誌担当編集)

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From Editors 2

自分の「アーカイブ」を考えてみた結果……、マイケル・ジャクソンのTシャツです。わすか6枚ですが。生粋のエンターテナーのMJに学びたいということで。

アーカイブという視点を持つと、
ファッションはもっと愉しくなる。

巻頭企画である「7人の私的アーカイブ」。出ていただきたいデザイナーを決め、いざ、それぞれの方に取材を申し込むとなった際、あるスタッフからアーカイブをどう定義して伝えるべきか疑問が出されました。アーカイブという言葉には、単なるコレクションやワードローブとは異なる意味合いがある。そこははっきりしているのですが、具体的な定義についてはモヤモヤとしたものが残ったまま。

曖昧なままでは、各デザイナーから「正しいアーカイブ」を提案してもらうことはできない。話し合うこと数時間、至った結論は「あるテーマの下、時間をかけて集められ、本人によって整理されたもの。そして、その“蓄積”がクリエーションの源になっているものこそ、アーカイブと考える」。

結果、まとめられた7つのアーカイブには「物量」があり、「明確なテーマ」があり、各ブランドの根源を示唆するような「奥深さ」があります。クリエーションやデザインの土台には、アーカイブがある。そのことを強く確信しました。あるブランドを好きになり、身に纏うということは、意識的無意識的を問わず、アイテムから「アーカイブ」を感じ、それに共感しているのかもしれません。アーカイブという視点を持つと、ファッションはもっと愉しいものになるはずです。

 

●山口 淳(本誌担当編集)

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