ブルータス - BRUTUS | 737

マガジンワールド|株式会社マガジンハウス
 

No.737 CONTENTS

features

024 植物があると、いいね!
028 特集
木と花と草のこと。
030 プラントハンター、清順さんが見つけてきた豪州の巨大ボトルツリーがやってきた。
034 糸井重里さんが〈花宇〉を訪問して、植物について考えたこと。
038 コレ、育てたい。vol.1
ロフォケレウス/ホヘンベルギア/フェロカクタス/ヘクティア/セイデンファデニア/リトープス/ウツボカズラ/ハエトリソウ
046 植物を愛した人たち。
デレク・ジャーマン/ジョージア・オキーフ/幸田文/白洲正子/牧野富太郎/中尾佐助/カレル・チャペック/ヘルマン・ヘッセ/室生犀星/ジョセフ・バンクス/ロバート・フォーチュン/フランク・キングドンーウォード
058 素敵なフロリスト。
078 僕のボタニカルライフ。
086 食虫植物の自生地に行ってみた。
088 銀座の街路樹。
090 江戸の園芸文化を継ぐ、根津の裏路地。
092
コレ、育てたい。vol.2

ビカクシダ/トケイソウ/ディオスコレア/ハオルシア/ティランジア/アボニア
098 サボテンとクルマ。
059 特別付録
Plants Shop Guide 植物、始めてみる?
こだわって、ナーサリーから手に入れる。/庭を造ってもらうなら。/ スタイルのあるボタニカルライフが買える店。/園芸道具を揃えるなら。
 

regulars

017 Et tu, Brute? 「エジェリン・ジェイムズ」ほか
101 Brutus Best Bets 新製品、ニューオープン情報
110 人間関係 456 写真/篠山紀信
『ea友』内田伽羅、野村友里
113 クルマのある風景 35 「BMW 3シリーズ」(撮影/笠井爾示)
115 SUPREME BRUTUS 「佐渡 裕」ほか
124 BRUT@STYLE 278 Lavender
128 グルマン温故知新 368 銀座しまだ/76vinななじゅうろくばん
130 みやげもん 142 蛙飛/次号予告
109 BRUTUS BACK ISSUES/定期購読募集
 
【SPECIAL CONTENTS】
コレ、育てたい。

育ててみたくなる植物、人に見せたくなる草木や花が並ぶ今号。ふと目を引く不思議な魅力を秘めた植物を、一部ご紹介します。ここでは、植物名と「育て方」を紹介しますが、名前の由来や特徴など詳細が気になる方は本誌をご覧ください。他にも、愛嬌のある植物がたくさん掲載されています。

 
From Editors 1

いただいたハエトリソウが見事にハエを捕まえた! 葉の縁に女性のまつげのようなトゲがあるので、英名はヴィーナス・フライトラップ。美しい女神の罠ならかかってもいい?

『センター・オブ・ジ・アース』のDVDジャケットにも、人を襲う巨大ハエトリソウが!

古典的妄想ですが、
もし、食虫植物が巨大化したら……。

ジュール・ヴェルヌの古典的SF小説『地底旅行』を原作とした2008年の映画『センター・オブ・ジ・アース』に、巨大化した食虫植物のハエトリソウが人間を襲うシーンがあります。食虫植物に、そのようなおどろおどろしい印象を少なからず持っていませんか?

今回の特集で、広島にある<山田食虫植物農園>におじゃましました。その名の通り、食虫植物専門の農園です。そこで巨大ウツボカズラ(ネペンテス)を見せてもらいました。ウツボカズラとは葉の先に消化液が入った壷のような補虫嚢を持ち、そこに落ちた虫を溶かし、栄養分を吸収する食虫植物の代名詞的存在。で、農園の温室で育てられていたのは、人の顔くらいの壷を持った品種で、もし壷がもう少し大きかったら、覗き込んだら顔が抜けなくなって……なんて想像してしまう大きさです。

「人間は入らないけど、ネズミはよく入っているよ。今日は入っているのがあるかな」とネズミ入りの壷を探す農園主の山田眞也さん。「い、いや、探さなくていいですよ」とビビるフォトグラファーと私。その巨大ウツボカズラの様子は本誌を見ていただくとして、実物を前にすると、おどろおどろしいというより、植物における生きるための仕組みの巧みさに、感心させられます。

帰りに、これ育ててみてよと、ハエトリソウをいただきました。ハエトリソウが虫を捕まえるメカニズムもかなり精巧で、感動的です(詳細はこちらも本誌で)。ときどき、その2枚貝のような葉の間に指を入れてみるのですが、ぎゅっと指をつかんできて、なんともカワイイ。でも、これが巨大ハエトリソウだったら……と、たまに映画『センター・オブ・ジ・アース』のシーンを思い出してしまい、眠れません。

 

●芝崎信明(本誌担当編集)

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From Editors 2

スピーシーズナーサリーで購入したエアプランツ。黒い業務用のプラカゴで育ててナーサリー気分を。たまに水をあげながら、何をしているのだろうと思うこともありますね。昆虫に種子を運ばせるように、気付かないうちに植物にコキ使われているのかもしれません。

植物の価値と価格、
ナーサリーへの道。

植物って安くないですか? 育成に何年もかかった植物が数千円で売られていたりする。いつだったか、美術館で高級メゾンブランドの展示があって、そこでは服を作るのにかかった時間と工程、価格が一緒に提示されており、職人のかけた時間と技術がその価格には反映されているのだ、というような内容だったかと思いますが、その方式で考えると植物は随分安い。

好事家の集まる多肉植物市では、もちろん何十万円という植物も売っており、中国の富裕層たちが高価な植物を買い漁っていました。私は5鉢選んで500円というセール品を見定めて、色も形も様々な多肉植物を格安で手に入れましたが、一緒に行った好事家のライターは小太りのアーモンドのようなもの1つだけ握りしめていて、いくらしたかと聞くと、3000円もしたと言うのです。そういえば、エアプランツのナーサリー(育苗家)では1万円分で見繕ってもらったのですが、やはり素人目にはわからず、これはどうだと聞いてみると、それは希少種だから高いと言われ、1万円も出して1つ、2つしか買えないのも癪に障るので、その隣のよく似たものを指すとそれは300円だということで、結局、少々高いもの、安いもの取り混ぜて11種類手に入れることができました。

取材先ではほとんどのところで植物を購入。大木ナーサリーのクリスマスローズに、エクゾティックプランツで買ったマダガスカル産のビカクシダ、スピーシーズでは中南米のティランジアを中心に11種、ネペティカでは砂漠のバラと呼ばれるアデニウムの小さいものを譲ってもらい、これから時間をかけて育てるのが楽しみです。そういえば、クライムオーキッドではかなりの希少なランをもらったのですが育て方がよくわかりません。ただ、植物を育てるのはトライ・アンド・エラーだと思っているので、いまのところはマニュアルも読まず、基本的には植物や土を手で触ってみて健康状態を見ているのですが、植物を上手に育てる人のことを「緑の指を持つ人」と呼ぶらしく、意外と間違ってはいないのかもしれません。ティランジアもビカクシダも、適当にやっているわりには早くも子株が出てきています。いまやプチナーサリーの気分ですが、こうして徐々に植物が増えていき、人に分け与えられるようになり、気がついたら商売になってしまった、というナーサリーは多いので馬鹿にできません。

 

●町田雄二(本誌担当編集)

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