マガジンワールド | ブルータス - BRUTUS | 640

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No.640 CONTENTS

features

018 Football for the Earth.
サッカーは地球を救う!?
020 サッカー、地球と人類の希望。 文/村上 龍
022 海外の選手たちは、もう動きはじめています。
カカ/モウリーニョ/カンナバーロ/ネドベド/アイマール/
ビエラ/フレブ/ロビーニョ/ジョージ・ウェア
034 中田英寿が地球について考えた、30日間のアフリカを巡る旅。
042 中田英寿×安藤忠雄対談
安藤さん、環境と人をどう結びつけますか?
074 サッカーが地球を救わなければならない理由。
076 欧州4強は強さだけでは測れない。地球に優しいクラブチーム選手権。
078 日本人選手も動き出しています。
082 エコスタジアム最前線。
086 ブラジルではサッカー選手が最高の名士です。
088 ブラインドサッカーを知っていますか?
090 サッカーは地球を救う。
057 特別企画
101 Books for the Earth
地球を考えるための101冊。
 

regulars

011 EYE OF THE B
「カール・ラガーフェルド」ほか
047 Brutus Best Bets
新製品、ニューオープン情報
106 人間関係 359
写真/篠山紀信『トラ トラ トラ』上野樹里、関口 現
109 Steel Deep Beauty 116
smart fortwo
111 MIX & MASH
「真木よう子」ほか
120 BRUT@STYLE 189 blue-collar's attitude.
124 グルマン温故知新 271
ラ・ボッテガ・デル・グースト/カシーナ・カナミッラ
126 みやげもん 045 八幡馬/次号予告
055 定期購読募集
056 BRUTUS BACK ISSUES
From Editors 1
今回訪れた、アフリカ・マリでのサッカー協会との歓迎式典のようす。アフリカでの中田氏の知名度は予想以上に高かった。

長い取材を終えて、
中田英寿について思うこと。


 先日、中目黒駅から見える巨大ビルボードをボーッと見ていると、「藤原紀香、趣味・女磨き」というコピーに目が留まりました。世の中、いろんな趣味があるものだなと感心しつつ、僕は今回の特集でお世話になった中田英寿氏のことを、再びボーっと考えていたのです。皆さんは中田英寿氏を好きですか? 嫌いですか? 僕は今回の特集を通して彼のことを少し好きになりました。「中田英寿、職業・旅人」なんて言ったら怒られるかもしれません。でも2006年6月の現役引退以降、世界中を旅ばかりしているのです。彼が日本チームの指導者になってくれることを熱望しているサッカーファンも少なくないのに。なんか優雅に旅なんかしちゃってさ、なんて思っている人たちも多いのかもしれません。正直に言いますと、僕もその口だったのですが……。
 中田英寿氏が、海外からスター選手を集め、日本でなんか大きな試合をやるらしいと聞いたのは、今年の初め、その試合は、なんというか、いわゆるチャリティマッチとは違う、でも地球環境問題に対しての何らかのアクションを呼びかけるようなものになると聞き、興味を持つ。そして中田氏への密着取材がスタートしたのです。詳しくは誌面をご覧になって頂きたいのですが、アフリカを旅する彼に、本誌ライターが同行しています。中田氏は現在までに約70か国、150都市を旅しています。そこでの話は非常に興味深いのですが、特に、どうしてそんなに旅をするのかという僕らのインタビューに対して、「ただ実際に現実を自分の目で見たいだけ、それだけなんです」と語りました。それは本来僕らのような編集者にとって基本で、一番大切なことなのに、ついつい疎かになってしまっているのではないかと、ドキッとさせられました。さらに取材中、6月7日に行われる『+1 FOOTBALL MATCH 』のことを、インタビュアーが“チャリティマッチ”と称した時、彼は少し機嫌を悪くして、「“チャリティマッチ”ではないんです」と言った。その事について、彼はそれ以上語らなかったけど、多分、チャリティなんて考え方や言葉が好きじゃなかったんだと思うんです。『なにかできることを、ひとつ』という、このイベントの趣旨がその表れであるように。試合が成功することを願っています。

●木下孝浩(本誌担当編集)

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From Editors 2
Photo : Yuri Fukuhara
マドリードの高級住宅地モラレハ地区の自宅で取材したカンナバーロ。取材後、なんと車でタクシー乗り場まで送ってくれました。

パパラッチと競争?
サッカー・セレブのアポ取り。

 サッカー好きが編集部でバレバレの私ですが、それゆえにこの時期の海外選手の取材困難は想定済みでした。ただし、想定をはるかに超えていましたけど。
 とにかく、アポが取れない。締め切りは迫ってくるのに誰一人決まらない。本当に半ベソ状態でした。確かに欧州リーグはどこも佳境。優勝を争うチームも降格を逃れようとするチームも、つまり、どこもみな必死です。そんな時期にスコーンと取材を快諾してくれる選手はもとよりクラブ広報や選手のマネージャーはなかなかおりません。
 たとえば、「浪人中」で取材が「比較的」容易と考えられたモウリーニョ監督。しかし、彼でさえなかなか返事が来ず、イライラしていると「モウリーニョ、ミラノの空港に出没! インテルミラノ会長と接触か?」とネット記事で見つけて愕然としました。世界でも屈指の監督と言われる彼は、ちょうど「職探し」のために欧州中を飛び回っていたのです。後日、彼のインテルの監督就任が報じられましたが、「どこにいるか」だけでニュースになってしまうサッカーセレブのアポ取りは、百戦錬磨のパパラッチと競争するような息の抜けないものでした。
 当然、海外取材の日程はギリギリまで組めません。チーム状況や選手の状態を日々チェックする毎日でした。結局、土曜日に翌月曜日のアポが取れたので、あわててエアチケットを取り、日曜日に渡航するという綱渡り的スケジュールで、スペイン・サラゴサのアイマール取材に向かったのですが、長旅を終え、日曜深夜にスペインに着くと、いきなりコーディネイター氏いわく「さっき0ー3でサラゴサが負けて、降格圏内入りです。明日の取材が難しくなりました」とのこと。翌日、取材予定のクラブハウスに出向くと、手厳しいことで知られるサラゴサメディアのカメラの放列がズラリ……。真っ青になりました。  また、チーム状況は悪くなかったユベントスのネドベド取材では、取材前日の試合で怪我をして、「明日の取材は通院するからやっぱり無理」と言われ、呆然とする一幕もありました。  とにかく、取材が終了するまでどんな不測の事態が起こるかわからず、最後までハラハラでしたが、バロンドール(欧州最優秀選手賞)歴代受賞者をなんと4人も取材する幸運にも恵まれた今号、ぜひご覧くださいな。

●黒岩広義(本誌担当編集)

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From Editor in Chief
『地球を考えるための101冊』。特集には16ページのブック・イン・ブックもつけました。宇宙飛行士もスタイリストも建築家もプロレスラーもミュージシャンも、皆それぞれに地球の事を考えていた。この付録、本の特集として読んでも最高におもしろいんです。「地球のことを考える本ありますか」という問いかけが思いの外、響いてくれたよう。こちらも楽しみに。

「サッカーは世界を救うんだ!」
編集会議で大見得をきりました。
だから、後には引けないのです。

「途上国から先進国まで世界を巻き込むスポーツはサッカーだけだ。サッカー選手こそ、地球のことを語れる素材。いいか、サッカー選手が追いかけるのはボールだけじゃないんだ」
 僕はここで間をおきます。
「……地球、なんだよ」
 ビシッと決めたつもりでした。 でもすぐに思い知りました(涙)。
 カカやアイマール、モウリーニョ、カンナバーロに中田英寿。スーパースターたちに地球環境を語ってもらう。それも直に。
 編集の野望は大きく。でも序盤からスケジュールが合わない。取材場所がヨーロッパ全体。試合結果に左右されるし、突発的なケガもある。これは野望、というより無謀? 選手たちの影響力は増している。彼らが動けば地球も動く…はずなのに。
 動いたのは、終盤ぎりぎり。
「アイマールがOK」「カカ、練習場でなら会ってくれます」「中田ヒデと安藤忠雄の対談、ピンポイントでここなら!」
 小さなトラブルに右往左往しながら、大きな地球の事を考えつづけた特集。完成してみたら想像以上の出来でした。今回学んだこと? 編集の野望はやっぱり大きく(まだ懲りてない)。

●西田善太(ブルータス編集長)

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