マガジンワールド | ブルータス - BRUTUS | 649
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No.649 CONTENTS

features

026 琳派って誰?
028 Q&A。5分でわかる琳派。
030 俵屋宗達「風神雷神図屏風」
032 尾形光琳「風神雷神図屏風」
034 酒井抱一「風神雷神図屏風」
036 見ればわかる。
038 ウチにもある。
040 みんなの琳派。
042 橋本 治の大琳派論、実況中継。
046 玉蟲敏子に聞くディスカバー琳派。
050 会田 誠、「琳派で、すみません」。
054 仲條正義が描き、穂村 弘が詠う。
071 綴じ込みブックインブック
見る。買う。食べる。
琳派で巡る京都。
寺院/美術館/古美術/工芸品/料亭/菓子/京都MAP
088 アメリカが発見した「RIMPA」。
098 20世紀琳派、田中一光を知っていますか?
 

regulars

015 EYE OF THE B
「デイヴィッド・デュカヴニー」ほか
059 Brutus Best Bets 新製品、ニューオープン情報
112 人間関係 368
写真/篠山紀信『一条の光』一条ゆかり、ステファニー
115 Begin Your Journey 001 NISSAN GT-R
117 MIX & MASH
「唐 十郎」ほか
126 BRUT@STYLE 197 woolen fabric
130 グルマン温故知新 280 オステリア・モンテマーレ・トットリーネ/小湘亭
132 みやげもん  054 赤坂人形/次号予告
070 BRUTUS BACK ISSUES
109 定期購読募集
From Editors 1
「雑木林図」を間近で見る。

未だ見ぬ名作を徹底的に追いかけろ!
地球の裏側までたどりつかせる
絵の力って、なんなんだろう。

「琳派特集」をやろうと決めた次の瞬間、ニューヨーク在住のコーディネーターにメールを書いていました。
「フリア美術館の宗達『松島図屏風』と宗達派『雑木林図屏風』の撮り下ろし許可を取ってください」。
 僕にとって日本美術というのは仕事と趣味を兼ねているので、琳派の主要作品はもうたいてい見てしまいました。「燕子花」も「紅白梅」も「蔦の細道」も「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」も。「風神雷神」は宗達、光琳、抱一、全部見たし。でも、実物を見るのが大変ということでは、ファウンダーから門外不出の釘をさされているフリア美術館(ワシントンDC)のコレクションがあります。で、今回、許可が下りて、取材敢行。おお、これが「松島図」これが「雑木林図」。
 なかなか見られないと言われるとますます名作に思える…ということはないのですが、長年の夢がかなった瞬間です。研究者でもこんなに簡単にアクセスできるものだろうかと感慨ひとしお。その模様は本誌で。
 実は琳派の屏風でどうしても見たいものがあと1点、アメリカ中部の某美術館にあります。「蔦の細道」や「雑木林図」に連なる宗達派の系譜のもの。きっといつか見られると信じているのですが。

●鈴木芳雄(本誌担当編集)

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From Editors 2
<竹笹堂>。木版の、いわゆる摺師。古い町家の二階で今もこうして一枚ずつ摺られているという、京都ならではの光景。

寺や美術館、工芸品にお菓子まで。
予習でもっと楽しい“琳派な京都”を。

 京都だけは違うーー。程度の差こそあれ、多くの日本人にとってここはやはり別格でしょう。曰く、京都で「こないだの戦争で...」といえば昭和の戦争じゃなく鳥羽伏見の戦いだとか、いや応仁の乱だ、という類の都市伝説がありますが、今回の取材では、それもまんざら冗談に聞こえない雰囲気。何しろ光琳の屋敷があった界隈(二条城の東方)では、当時から続く菓子司が今も普通に営業中、でその主も「ええ、ご近所さんだったといいますね」とさらりと語るような具合。
 そう、琳派の故郷はその京都。宗達、光悦らによって生み出された新しい表現はこの京都という街の寺社や有力者、文化人たちの間で育まれ、時代を超えるスタイルとして成立しました。それは単なる過去のブームではなく、現代でも美術品はもちろん摺り物や工芸品、菓子などなど、この街のあちこちに脈打つもの。そこで今回は、京都在住のネイティブなライターさんもスタッフに加わり、琳派の意匠に触れる綴じ込みの京都ガイドブックをご用意しました。
 この特集前半で解説されるように、琳派はパッと見て分かりやすいというのが売り。花なら花、月なら月と実にストレートに表現され、知識がなければ何が描かれているかすら分からないような難解芸術とは違います。とはいえ取材中に痛感したのは、知識が(多少でも)あるとないとでは、やはり見えるものや面白さは全然違ってくる、ということでした。
 たとえば和菓子でも、なぜこのテーマでこの形なのか。それにつくり手は意味を込めている、といいます。でも詳細な解説はされず、解釈はあくまで受け手に委ねるのが常。ある意味、見る側にもそれなりにプレッシャーがかかる図式です。 ということで、京都。いきなり訪れるのもOKですが、できればこの特集と「大琳派展」で予習してからの方が、より楽しく、発見も多いかもしれません。それに見合う奥深さはもちろん、ちゃんと琳派と京都の街中に息づいているはずです。

●渡辺泰介(本誌担当編集)

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From Editor in Chief
16ページの小冊子「琳派で巡る京都」は保存版。寺院、美術館、古美術、工芸品、料亭、そしてお菓子にわけて京都の琳派をガイド。

「見ればわかる」「ウチにもある」。
そして「いつかわかる」琳派のよさ。

 9月の半ば、暑さが蒸し返した週末に京都に出かけました。京博、承天閣美術館や細見美術館を回り、養源院では、念願かなって、宗達の杉戸絵に対面できました。宗達の白象図は坂を上がって建物に入りしな、正面にどん、と。高さ180センチの杉戸に描かれた白象は、異国のおどろおどろしさと、キャラ立ちした可笑しみが同居していて、魅力的なんです。
 10月7日より東京国立博物館で『大琳派展』が始まります。宗達、光悦、抱一、其一の「風神雷神図」見比べが売り。琳派の大スター達の作品が一挙に集められる、それが特集の動機です。でもこの特集は琳派入門にはしていません。琳派をどうおもしろがるべきか、を教えてくれる。だから「大琳派展」に行く前も行った後も使える本になってます。「見ればわかる」んです。「ウチにもある」んです。そして今はわからなくても、「いつかわかる」んです、そのよさが。
 京都から戻って、琳派特集スタッフと話していたら、驚愕の事実を知りました。「琳派展」貸し出し準備のために、養源院に飾られていたのは原寸大のプリントらしいのです。いやいや、とてもよいプリントでした。はい。でも、感動にウソはない。ですよね? そうですよね?……

●西田善太(ブルータス編集長)

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