マガジンワールド | ブルータス - BRUTUS | 690
  • 目次 & SPECIAL
  • FROM EDITORS

No.690 CONTENTS

features

018 ブルータスの
スタジオジブリ特集
020 スタジオジブリ史
022 スタジオジブリ会社案内。
028 『借りぐらしのアリエッティ』に見る、ジブリ映画の作り方。
032 スタジオジブリ全作品集中講義。
038 ジブリで考える。
055 特別付録
ジブリ・キャラクター図鑑
064 私×GHIBLI 夢のコラボレーション⁉
068 日本のアニメの青春時代。
072 スタジオジブリアーカイブ。
074 監督&プロデューサーと振り返る、
『借りぐらしのアリエッティ』制作ダイアリー。
079 BOOK IN BOOK宮崎 駿
 

regulars

011 Et tu, Brute?  「ヴァネッサ・レッドグレーヴ」ほか
097 Brutus Best Bets 新製品、ニューオープン情報
106

人間関係 409
写真/篠山紀信『半世紀だねぇ』高畑 勲、宮崎 駿

109 Begin Your Journey 042 ロールス・ロイス ゴースト
111 SUPREME BRUTUS
「八代亜紀」ほか
120 BRUT@STYLE 235 mr.kusakabe
124 グルマン温故知新 321 エピノウ/サンカントサンク
126 みやげもん 095 モマ笛/次号予告
078 BRUTUS BACK ISSUES/定期購読募集
 
【SPECIAL CONTENTS】
スタジオジブリが「超優良企業」である理由。
日本人の心に残るアニメを創り続けてきたスタジオジブリ。その絶えることのないクリエイティヴィティの裏には、居心地が良く働きやすい「超優良企業」としてのジブリの顔がありました。ここでは、本誌で紹介した中から7つの「ジブリの素顔」をキーワード別に紹介。人が会社をつくり、会社が人をつくる。なぜジブリが常に素敵な作品を創ることができるのか、その秘密がわかるかも!?
From Editors 1

世界の強豪を相手に、勇気を持って30cm前に踏み出し、日本のゴールを死守してきた川島永嗣選手。ブルータスおよびその周辺では、「日本のGKに似ているね~」と言われた日々。恐縮です。そんなこんなで、川島選手および日本代表にも勇気づけられた6月の制作期間でありました。

企画のきっかけと制作過程を支えた、
宮崎駿監督から放たれたコトバたち。

『怒られたら、次は30cm近寄るくらいでやれ!』

本編12時間30分におよぶ『ポニョはこうして生まれた~宮崎駿の思考過程~』(ウォルト・ディズニー)密着取材の途中、一度宮崎駿監督に怒られたことで、自分に寄り付かなくなっていた取材者に対しての一言。「そんなんじゃ、こっちが困る」と、プロデューサー鈴木敏夫に語ったという。

宮崎監督と一緒に仕事をして怒られたい(結局、怒られたのは、同行した後輩M……。もちろん彼は30cm近寄った!)。この特集が生まれるきっかけは、まさにこのどうしようもない感情から。スタジオジブリのみなさんに、『いい企画ですね~』と時に笑顔を、『はしゃぎすぎです』と時にお叱りを誘う企画を出し続ける日々。叱られたら、もちろん30cm近づいて新たな企画をぶつける。懲りない面々で、ジブリ広報のみなさんには、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。それでも、宮崎駿監督は僕らを奮い立たせるのだ。

『さあ、燃えるぞ!』

スタッフとの会話の中で、ポニョのキャラクター像をイメージするための決定的なヒントに出会った監督。ポニョの世界観に大きな影響を与えることとなったワーグナー作曲『ワルキューレの騎行』をセット。ひとりイメージボード制作に向かう際にとびでた一言。同じく『ポニョはこうして生まれた~宮崎駿の思考過程~』(ウォルト・ディズニー)より。

あの世界の巨匠が、自身を昂らせるコトバ。ちょっと気恥ずかしいが、思い切って『さあ、燃えるぞ』と口にしてみると、俄然やる気が増してくる。制作期間に何度つぶやいたことか。

そして生まれたのが『ブルータスのスタジオジブリ特集』。これを読んで、みなさんが怒られることはないけれど、スタジオジブリ、そして宮崎駿監督が今よりも30cm身近な存在になるはずだ。

 

●杉江宣洋(本誌担当編集)

このページの先頭へ

From Editors 2

宮崎さんは映画作り終えると後悔しか残らないと言っていましたが、ジブリ作品と無心で向き合えた二ヶ月はとても楽しい日々でした。キャラクター図鑑のページを作ったときはスタッフそれぞれのご贔屓キャラがいて、誰を出すかでスゴイ揉めたなぁ……。


宮崎監督に怒られ……た?

いや、実は全然怒られていないんです。とても緊張して喉がカラカラだったため、ペットボトルの水をつい机に出したまま取材をしてしまい……。

「飲み物はうちで出すんだから」

と、そのボトルをしまうように軽く嗜められた程度です。でも緊張していたので 「うわ、宮さんに怒られたー」と取材中に落ち込み、編集部に帰ってからは興奮のあまり「宮さんに怒られたぞー」と自慢してまわったのをむしろ反省しております。

取材中の宮崎さんはとてもおだやか。何でも聞いてください、という雰囲気でした。宮崎さんはお昼ご飯も食べずにインタビューを受けてくれ、後で広報の人の聞くと、途中でお腹がぐぅぐぅ鳴っていたそうです。

篠山紀信氏の連載ページ、人間関係の現場にも立ち会えたのですが、宮崎さんは高畑勲さんのことを「あのパクさんですよ!」と嬉々として我々に紹介してくれ、撮影の際には「パクさん、ピアノを弾いているマネをしてくださいよ!」などと、はしゃぐ姿が印象的でした。とにかく撮影中は「パクさん」、「パクさん」で、宮崎さんが高畑さんをいかに慕っているのかを感じた一幕です。

二人は東映動画(現・東映アニメーション)時代からの先輩と後輩。いまでこそ、映画を一緒に作ることは今後もないだろうと仰っていましたが、二人の関係性は東映動画時代とまったく変わっていないようでした。

宮崎さん、高畑さんのツーショットはこれから日本のアニメを作り上げていこうとする、若き日の二人が並んでいるようにも見えます。高畑さんは既に新作に取りかかっているそうですし、宮崎さんは重そうな斧を持って、庭で薪をパカンパカンと軽快に割っていました。ジブリは後継者問題が囁かれていますが、二人の巨匠、まだまだ元気です。

 

●町田雄二(本誌担当編集)

このページの先頭へ