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海のエコラベルを知ることは、水産資源を守ること。

あなたに伝えたい (332)

海のエコラベルを知ることは、水産資源を守ること。

牧野倫子さん
まきの・みちこ 海洋管理協議会(MSC)日本事務所 広報担当


牧野倫子さん

撮影・武方賢治 文・及川夕子
魚が減っている今、乱獲防止が急務とされている。海洋管理協議会(MSC)は世界の水産資源の回復を目指し、1997年に設立された国際的NPOだ。日本事務所は2007年に開設し、認証制度と海のエコラベルの普及活動を行ってきた。

「日本は世界屈指の水産物消費国で、食べる魚種も豊富です。でも、世界の食用天然魚のうち85%の魚種が、獲り過ぎ、またはこれ以上獲ると枯渇する恐れがあることを知る人は少ないのです」

獲り過ぎを防ぐためのルールを守った水産物にだけつけられるのが〈海のエコラベル〉で、漁業者だけでなく加工業者、流通業者にもそれぞれ認証があり、エコラベル対象外の魚が混じるのを防ぐ。ヨーロッパでは、魚介類をはじめ、フィッシュバーガーやペットフード、サプリメントなどにもラベルが表示され、広く普及している。

「日本ではイオンや生協をはじめ、いくつかのスーパーで取り扱っています。まず、水産物を買うときの選択肢の一つとして、海のエコラベルがあることを知ってほしい。ラベルがついているほうを選ぶだけで、気軽に環境保全に貢献できる方法です」

MSCは教育にも力を入れていて、大学などでの出張授業も始めている。

「若い世代が持続可能な漁業について知ることは、将来の海洋資源にとって、とても大切なこ
となのです」



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