マガジンワールド | ブルータス - BRUTUS | 648

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No.648 CONTENTS

features

046 STYLEBOOK 2008-09 A/W
善き人のためのモード。
048 Isle of Harris/野口 強
スコットランドの島、羊、ワークウェアというモード。
062 Who's That Girl/祐真朋樹
モードにおけるジェンダーとは…。
074 THE GENTLEMAN/長谷川昭雄
世界でいちばん速い男の、ジェントルな毎日。
082 STEAK FRITE with SWEATERS/白山春久
寒い冬をあたたかに彩るセーター。
090 ALONG THE WAY/LOUIS VUITTON
旅の途中で遭遇した贅沢な時間。
109 BBB SPECIAL My favorite things
あの15人のワードローブを大公開。
166 DAILY GOOD MAN, GOOD GOODS
善き人の日常生活に馴染んだ善きグッズたち。
174 NOSTALGIA/GIORGIO ARMANI
どこか懐かしいモードの香りを。
178 THE 6 SENSES/DOLCE&GABBANA
6人それぞれのハイエンドなワークスタイル。
184 Not Hunting/Burberry Prorsum
アウトドアもエレガントなスタイルで。
188 Homme Bon /Comme des Garçons
4人のグッドマンが着こなすスタンダードモード。
192 LUMIÈRE NOIRE/DIOR HOMME
フランス、ノルマンディーで光と黒の世界。
198 Grooming/LANVIN
ランバンの提案するタイドアップスタイル。
202 BOX/PRADA+REM KOOLHAAS
ファッションとアートの自由な表現。
208 VIRTUAL REALITY/NEIL BARRETT+ZAHA HADID
ニール・バレットと建築の女王の邂逅。
212 善き人へのSTORY 1/ハリス・ツイードの島。
土地が生んだ名品を訪ねる。
214 Clothes Make The Man
10人の善き人に聞いた、リコメンドアイテム。
222 善き人へのSTORY 2/ヒンターランドを求めて。
男はなぜ放浪したくなるのか。
255 THE RUSSIAN TEA ROOM/GUCCI
グッチの秋冬はロシアン・テイスト。
 

regulars

029 EYE OF THE B
「キャメロン・ディアス」ほか
230 人間関係 367
写真/篠山紀信『焼き肉を食べたい』松田龍平、吉高由里子
233 Steel Deep Beauty 124
HONDA FCX CLARITY
235 MIX & MASH
「ザ・ティン・ティンズ」ほか
244 グルマン温故知新 279 佃㐂知/牧野
246 みやげもん  053 祝鯛/次号予告
094 定期購読募集
247 BRUTUS BACK ISSUES
From Editors 1
こんな風に撮影済みの写真やページデザインを貼っていき、バランスを考えながらつくっていきます。

善き人のためのモード。
世界中のすべての普通の人たちへ。

 70年代、まだ私が仕事というものと無縁だった頃、心に残ったCMがあります。一筋の光が差し込む図書館の美少女、そう、昭和の名作として現在も語り継がれているあれです。その制作者の杉山登志さんが残された言葉「ハッピーでないのに、ハッピーな世界などえがけません」、これは私にとってもっとも大切なテクストになっているのです。生きていくうえでも、仕事のうえでも。そう、嘘はばれる。ファッションとかモードの世界は、クリエイションとビジネスが錯綜するサスペンス劇場です。怖いけど、それだけに面白い。
 でも、この秋冬のムードとしては、ハートウォーミングなエピソードが盛り込まれた人間ドラマに仕上がっているという印象。涙と笑いと汗の織り込まれたツイードジャケットを求めて…というサブタイトルでもつけましょうか、という感じ。作り手と着る側が、「俺たちこれからどうやって生きていこうか」というところで通じ合っているような気がします。もちろん、その答えはひとつでもないし、そんなに簡単でもないので、まあ、ぼちぼち探してみてください。

●山本惠子(本誌担当編集)

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From Editors 2
ウィスコンシン州にある<ラッセルモカシン>の工場で作られたマルチコンボカントリーオックスフォード。鈴木さんにとっても特に思い入れの強い一足とか。

クオリティの先にあるもの、
善き人のファッションって?

 世界の工場と呼ばれる中国では、1年で100億足以上の靴を生産しているそうです。100億といえば全世界の人口を大きく上まわる数字。「Made in USAの靴」という地方色溢れるフレーズもいよいよ絶滅の危機に瀕しています。
 そんな中、<エンジニアドガーメンツ>を率いる鈴木大器さんは、いまなお古き良きアメリカの物を愛し、昔と変わらない製法を守り続けるウィスコンシン州のメーカーに自らのブランドの靴を発注しています。
 その靴、マルチコンボ カントリーオックスフォードは一足に6種類の皮を張り合わせて作られています。6種類の皮はそれぞれ異なった経年変化を見せ、履いていくうちに色から質感、おそらくシルエット自体も、個々の履き方にあわせて変化していくことでしょう。靴職人からはとんでもない! と言われそうな靴ですが、鈴木さんはそこが面白いと言います。
「乱暴な言い方かもしれませんが、例えば素材が粗悪なものであっても、だからこそカッコイイというものがある。お金さえ出せばクオリティの高いものはいくらでも買えます。でもファッションの価値は、そのクオリティと呼ばれる画一的な尺度だけでは計れないものがあると思うのです」
 今や大金を払わずともクオリティの高い商品が手に入る時代です。だからこそ物自体が持っているビハインドストーリーを知りたくなったり、「Made in USA」の刻印ひとつが大切に思えてくるのかもしれません。今回の特集では作り手の思いが伝わってくる、そんなファッションに注目してみました。

●町田雄二(本誌担当編集)

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From Editor in Chief

ファッションとは、思いわずらうこと。
善き人のために、2008秋冬のモードを。

 10代の頃、近くにある教会の日曜学校に通っていたことがあります。牧師が読み上げる聖書の内容よりも、近くのミッションスクールの女子たちばかりを気にする、という不純な動機でしたが。
 そんな不真面目な少年でも、頭から離れない説教がひとつだけあります。マタイによる福音書のこの言葉。
「それだから、あなたがたに言っておく。何を食べようか、何を飲もうかと、自分の命のことで思いわずらい、何を着ようかと自分のからだのことで思いわずらうな」
野の花がどうして育っているか…に続いていく、よく知られたフレーズです。思えば、それから二十数年、思いわずらってばかりです。何を食べるか、何を飲むか、そして何を着ようか。迷わないでいられる高みにたどり着くのは、まだ遠く先のことなのは間違いなし。
 今回は、分析やキーワードではくくれないモードの世界を、特集にしてみました。ニューヨークにも、イギリスの田舎や島にも飛び、言葉に落とせないモードを撮影してきました。
「善き人のためのモード」。分厚いファッション特集をお届けします。何を着ようか、どう着ていこうか。今シーズンの迷いや憧れを、引き受けます。野の花だって、秋冬のモードをまとったらいいんです。
 ところで、自分は善き人でいられているでしょうか。名前だけは「善」がついてるんですが。

●西田善太(ブルータス編集長)

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