ブルータス - BRUTUS | 703

マガジンワールド|株式会社マガジンハウス
 

No.703 CONTENTS

features

022 緊急特集
桑田佳祐
024 桑田がツムグ 桑田直筆歌詞
032 桑田がカタル specialインタビュー
038 桑田をキク 太田光の『MUSICMAN』スペシャルライナーノーツ
040 桑田がコタエル 26人の質問に桑田が答える
044
桑田のゲンバ クワタスタジオ&PV撮影潜入
050 桑田をピーアール 4人のクリエイターが勝手にPR
054 桑田のナカミ 桑田の観ているモノ、聴いているモノ
068 桑田をカタル おかえりなさい、桑田さん。黒柳徹子です
070 桑田のスガオ 桑田の知られざる一面
074 桑田のモト 桑田を作った“素”
078 桑田のココロ 菊地成孔×大谷能生が桑田を読み解く
080 桑田のシゴト ソロアルバムオールレビュー
082 桑田のスベテ 桑田の活動完全網羅
086 桑田のノゾミ AV監督デビュー⁉
098 THE SUIT FOR BUSINESS TRIP
 

regulars

013 Et tu, Brute?  「ジャスティン・ビーバー」ほか
091 Brutus Best Bets 新製品、ニューオープン情報
118 人間関係  422 写真/篠山紀信
『饒舌な沈黙』が~まるちょば、立川志の輔
121 クルマのある風景 01 「ルノー・カングー ビボップ」(撮影/平野太呂)
123 SUPREME BRUTUS 
「蒼井 優」ほか
132 BRUT@STYLE 247 Good morning!
136 グルマン温故知新 334 ディ・ヴィーノ/サロン・ド・カッパ
138 みやげもん 108 一文人形/次号予告
114 BRUTUS BACK ISSUES/定期購読募集
 
【SPECIAL CONTENTS】
聖地“クワタスタジオ”、特別公開。

約2年をかけてできあがった最新アルバム『MUSICMAN』。今回、その製作現場となった都内某スタジオ、通称“クワタスタジオ”の撮影に成功! 誌面ではジャケット&PV制作現場も合わせてお見せしておりますが、Special Contentsでは特別にその中から4点をご紹介。極上の音楽が産まれる現場の空気を、少しだけ体感してみてください。

From Editors 1

この特集には、各界の著名人たちにも、桑田佳祐をひもとくためにご協力をいただきました。桑田さんが芸能界の母と呼ぶ、この人もご登場! 日本で一番有名な部屋に取材に行ってきました。

物心ついたときから知っている、
近所の陽気で不良なおじさん、のようなヒト。

6歳……『勝手にシンドバッド』をザ・ベストテンで目撃。夜更かしがやっとできるようになり、ベストテンを観るのが毎週の楽しみになっていたのに、異質な存在感のため、家でのベストテン鑑賞が禁止となる。10歳……『チャコの海岸物語』を紅白歌合戦にて目撃。派手な着物と白塗りの顔、そしてそのパフォーマンスに衝撃を受け、冬休み明けの学校で、そのMCを転用しまくる。14歳……サザンじゃなくて、KUWATA BAND? と驚く。いつもの歌声のおかげで、英語詞に浸れる安心感は、大人の階段を昇る途中の自分にぴったりな気がした。18歳……受験勉強を抜け出して『稲村ジェーン』を観に行く。見事浪人決定(映画に責任はないけど)。21歳……『真夜中のダンディー』、ロックとは? なんていう論じ合いが、この歌と出会って、どうでもよくなった。23歳……『マンピーのG★SPOT』をカラオケで歌い、彼女に叱られる。28歳……『TSUNAMI』に、素直に感動。30歳……『東京』で、ハードボイルドのなんたるかを知る。36歳……『昭和八十三年度!ひとり紅白歌合戦』で、エンターテイナーであり、スーパーサービスマンである桑田の底力に、人間には覚悟が必要だな、と実感。38歳……桑田佳祐、食道がんに、というニュースに衝撃を受ける。おいおいおい!

振り返えれば、いつも、当たり前のように、そばにあり続け、思い出のアイコンとなってきた桑田佳祐。復活の報を受けて、このおっさんのすごさを改めて知りたい、その価値を検証したい、と『緊急特集 桑田佳祐』。知れば知るほどわかったこと、『このおっさん、日本にいなくちゃ困るじゃん』。

 

●杉江宣洋(本誌担当編集)

このページの先頭へ

From Editors 2

桑田佳祐のソロワーク第一弾ともいえる『嘉門雄三 & VICTOR WHEELS LIVE!』のレコード盤。81年の渋谷エッグマンでのライブを収録(リリースは82年)。未だCD化されていない貴重な一枚も、今回聴くことができました。

エンターテインメントをとことん追求する、
「桑田佳祐=最強のプロレスラー」。

「ウィー!」「元気ですかっー!」。桑田さんのライブではお馴染みの掛け声だが、共に元ネタはプロレス。インタビューでもよく語っているが、桑田さんは大のプロレス好き。真剣勝負? スポーツ? そこがグレーゾーンである「いかがわしさ」。そして、己の肉体と技量で観客に物語の起承転結を見せ、最後にカタルシスを与えるエンターテインメントとしての完成度にシンパシーを抱いているのではないだろうか。

78年に桑田さんが世に送り出した『勝手にシンドバッド』は、ロックやフォークなどのジャンルを曖昧にすると同時に、聴き手に「この曲は愉しいか、気持ちいいか」という楽曲評価の新しい基準を与えた気がする。つまり、日本の歌謡界にエンターテインメントの重大さを再認識させたのが、桑田さんではないか。そして、79年に『いとしのエリー』という珠玉の名曲を生み出し、桑田サウンドの「起」と「承」を提示。以降、時に下ネタ全開ソングやメッセージソングを発表しつつ、常に僕らの心を「ロール」させつづけている。今回、桑田さん関連のさまざまなCD、DVD、書籍に触れ、何より本人の生声を聞くことで、桑田さんこそが「最強のプロレスラー」なのだと確信。 

そして、気になるのは「結」のこと……、とならないのが桑田さんの桑田さんたる所以。「ふとした病」によっても折れることのなかった、エンターテインメントへの追求心は、これからどこへ向かうのか。その行方の一端を本特集から感じていただけたら嬉しいかぎりです。

 

●山口 淳(本誌担当編集)

このページの先頭へ