MISSION 35 : テーマは、モデルさんが大好きな北欧の世界。一見意外な、ヴィヴィッドなアイメイクを合わせた理由も、聞けば納得です。
その人だけが持つ美しさをメイクのUDAさんが引き出す、そのプロセスに注目!
オリジナルブレンドのリップで
北欧の素朴な温かさを
UDAさんからの「好きな映画は何?」という質問に、フィンランドを舞台にした『かもめ食堂』と即答した上神田さん。
「作品のほっこりした空気感は、洋服のセレクトや穏やかで丁寧な物腰から感じた、彼女そのもの。好きな世界観やファッションなど至るところに共通する要素、これをメイクに取り入れない手はありません」(UDAさん)
リップメイクに選んだのは、温かみのある明るい黄土色。
「市販ではなかなか見つからない色がイメージだったので、深みのあるブラウン(5)とオレンジ(2)のリップをブレンドしてみました。ブラシを使い、唇の形通りにフレームを取りながら塗っています」(UDAさん)
さらにアイブロウは、筆ペンタイプのペンシル(1)を使って、プリミティブに。眉骨に沿った元の眉の範囲内にラフに描き足した。
「ヘアは美容師でもある本人にオーダー。いつもの自分を溶け込ませることで、僕がメイクで大切にしている〝その人らしさ〟が深まります」(UDAさん)
意外な組み合わせでブラッシュアップ
ピンク(4)とホワイト(3)を使った印象的なアイラインは、実は最後まで迷いに迷ったポイント。
「ほっこりした色やディテールでまとめれば絶対的に似合うけれど、ワクワク感が足りない。そこを解決するヒントになったのが、彼女のもうひとつの顔でした。表参道の人気サロンで働くおしゃれな女性、というところから、ポップでアクティブな色合わせにトライ」(UDAさん)
目のキワにピンクを細く引き、それを隠しきらないように上からホワイトを。ただし彼女にとって奇抜にならないよう、目の幅いっぱいに描くベーシックな形で入れた。
「自分では思いつかないメイク!」と語った上神田さんのように思う人には、
「ベクトルの違う魅力を、メイクに置き換えてプラスする方法を覚えておけば、きっと自分でも発見できるはず」(UDAさん)
上神田秋桜さん(美容師)
「デニムとチェックのシャツ
というトラッドなアイテムを
素敵に着こなしていた
上神田さん。すごくオシャレで
〝イマドキ〟なタイプに
見えるけれど、
古風な一面も。きれいな言葉遣いに
にじみ出ている品の良さが
彼女を輝かせている」─UDAさん
メイクアップ: UDAさん
UDA≫ メイクアップアーティスト。緻密な理論に基づいたオリジナルのテクニックで、本誌をはじめとしたファッションやビューティページで活躍。最近は、舞台のメイクプロデュースも手がける。本企画では、街でのモデルハントから、ヴィジュアル全般のディレクションまでを担当。