ニッポン美人化計画 Mission 37 : “コンサバ”なんて面白みがないに決まってる? いいえ、そこをあえて吟味すると、メイクに洒落っ気が生まれます。
その人だけが持つ美しさをメイクのUDAさんが引き出す、そのプロセスに注目!
前向きな視点で
コンサバメイクをフレッシュに
報道キャスターを目指している山本さん。普段は、大学の傍ら通うアナウンススクールで学んだコンサバメイクを実践中。
「〝コンサバ〟は、いわば、誰からも好かれるスタイル。万人に受けることを優先するせいか、ときに自分が消えてしまいがち。けれど、それを漫然と受け入れるのではなく、好かれるポイントを選ぶ、という意志をきちんと含ませると、ファッション性のあるメイクアップとしても成り立つ気がするんです」(UDAさん)
山本さんの場合、素顔でも存在感のある眉が洗練させるポイント。
「もともと眉頭が内側に入っていて少し緊張して見えるフォルムを、整えて和らげます。使用するのは、落ち着いた色のアイブロウパウダー(4)と、ラベンダーブラウンのアイシャドウ(5)をミックスした色。意図的に髪色には合わせずに元の眉色のトーンに。眉の上側を足すことで、下がった眉頭を持ち上げて、パッツンとカットされた前髪と平行のまっすぐのラインをつくります」(UDAさん)
目元は、持ち前の眼差しの強さを生かすためミニマムに。まず、甘さを抑えたピンクベージュ(1)を瞼の中心からホールラインの内側までのゾーンにふんわりと広げる。アイライン(3)は上瞼のみに入れ、目のフレームを立たせた。
「リップはナチュラルのままにするつもりでしたが、華やかさが足りないかもと。そこで最終的に青みピンク(2)に。1990年代のメイクのようにも見えて、ちょっとした遊び心にもなりました」(UDAさん)
好かれる要素をデフォルメする
やりすぎは禁物。だけど、意志を入れたいコンサバメイクは、選んだパーツをデフォルメすることだそう。
「彼女の場合、眉は、形のクセを取りながら、もともとの太くてまっすぐな印象を強調。目の力が強いので、アイラインは、いつも本人が描くよりも目尻を長く伸ばし、ほんの少し大げさにしています」(UDAさん)
山本恵里伽さん(学生)
「そこに光が射している
ような明るい雰囲気に
思わず足が止まった。一見、愛らしい顔立ちで
ふんわりした印象だけど
落ち着いた
声のトーンや
話す様子が知的。人に流されるのではなく、
自分の考えで
コンサバを選ぶ人、
というイメージに
ぴったりでした」─UDAさん
メイクアップ: UDAさん
UDA≫ メイクアップアーティスト。本誌をはじめとしたファッションやビューティページのほか、舞台のメイクプロデュースも手がける。緻密な理論とメイクの常識を覆すオリジナルのテクニックにも注目が。本企画では、街でのモデルハントからヴィジュアル全般のディレクションまでを担当。