ニッポン美人化計画 Mission 39 : インパクトがありながら、繊細な女性らしさを感じるアイライン。メイクをアップデートするヒントも隠されています。
その人だけが持つ美しさをメイクのUDAさんが引き出す、そのプロセスに注目!
ナイーブさと強さを共存させた
グラフィカルなアイライン
ファッションシューティングでアーティストとして参加していた林さん。
「惹かれるものがあって話すうち、浮かんだのが、アレキサンダー・マックイーンがつくるナイーブで強い女性像。10年ほど前に打ち出し、13‐14年AWでも再びテーマにしていますが、その女性像と彼女が重なり、今回の出発点になりました」(UDAさん)
彼女がしていた強いアイメイクに、さらに強さを出していく。
「セルフのアイメイクは全部落としてしまわずに、目の下側に広げていた部分を残し、彼女がもっているムードを生かします。ペンシルのアイライナー(2)で、目の形に沿ってぐるりとインラインを描きつつ、下側の膨らみを強調して女性らしさを。目尻は下瞼からの延長線上にのばして太めのキャットアイに。この目尻をはじめ、シャープにしたいアウトラインには、リキッドアイライナー(5)を使用しています。マスカラ(3)は、アイラインを壊さないよう、根元を中心につけました」(UDAさん)
ベースメイクは、アイメイクを引き立てるべく、軽くミニマムに。血色感を整えたうえで、ライトなパウダーをかけた。
「唇には最初、やわらかいピンク(1)をつけましたが、そこに少し重さが欲しかったので、ブラウン(4)をプラス。1色ではなく、2色を重ねることで、ピンクのフレッシュなトーンを感じさせながら、重さを出せます。どちらの色も、指の腹に取り、唇を染めるように良い意味で適当につけるのがポイントです」(UDAさん)
曖昧さをなくしてヴァージョンアップ
まるでマジックで描いたようなアイライン。いわゆる〝囲み目〟だが、そのグラフィカルな形が新鮮さをもたらしている。
「ナチュラルで淡い色合いの中にポイントを置いていたのが、おそらく今年の夏頃まで。そこから一歩進んで、コントラストやエッジを利かせたメリハリのあるメイクアップが今フレッシュな気がしています」(UDAさん)
林 祐衣さん(ペインター)
「鋭い格好良さをもった人。
絵を描くことを通して、
突き詰める姿勢が、
表にあらわれたかのよう。
ショートヘアや
セルフのアイメイクには、
強さだけでなく色っぽさも。
ナイーブな面を
持ち合わせている
繊細な人だと思います」─UDAさん
メイクアップ: UDAさん
UDA≫ メイクアップアーティスト。本誌をはじめとしたファッションやビューティページのほか、舞台のメイクプロデュースも手がける。緻密な理論とメイクの常識を覆すオリジナルのテクニックにも注目が。本企画では、街でのモデルハントから、ヴィジュアル全般のディレクションまでを担当。