ニッポン美人化計画 Mission 42: 色っぽくも愛らしい2つの女性らしさをメイクに注入
その人だけが持つ美しさをメイクのUDAさんが引き出す、そのプロセスに注目!
色っぽくて純真な内面が共通する
映画のヒロインがテーマ
テレビ局で音響を専門に担当している柏倉さん。古い日本映画が好きで、お気に入りは渥美マリ主演の『でんきくらげ』(70)。不遇の家庭環境で育ったヒロインが、自分の肉体を武器に銀座のクラブで成り上がっていくというちょっとエロティックな作品だ。
「笑えるストーリーで、主役の女性はエキセントリックで激しい性格の人なんですが、芯はしっかりしていて実はピュア。柏倉さんも、キャリアのある女性らしく、勝ち気な印象があるけれど、控えめで清楚な部分が見え隠れする。そんな2人にどこか似た空気を感じました。内面に通ずるものがあれば、一見方向性の違う女性像のメイクでも大抵似合うし、思いきってトライすれば、新しい魅力を発見するきっかけにもなる。だから今回も、普段の柏倉さんとは180度違う、主演女優のむんむんの色っぽさにチャレンジしてみました」(UDAさん)
グラフィカルなダブルラインで色気を
一番のポイントは、目尻がきゅっと上がったアイメイク。
「キリッとした彼女のシャープな目の形をそのまま生かしました。目の際から目を開けて2mm程度見えるところまでスモーキーブラウンのパウダー(1)を広げ、まずは陰影を。その上から、睫毛の生え際とアイシャドウの縁にアイライン(3)を引いて、ダブルラインにしつつ、目尻のみグラフィカルに尖らせてアクセントに。眉頭の上側をしっかり描いてまっすぐのラインを強調したアイブロウと、鼻筋から眉へ向けて流れをつくったスモーキーブラウン(1)のノーズシャドウで、目元に視線が集まるようにまとめています」(UDAさん)
唇は、とびきり女っぽいムードの青みのピンク(2)、グロッシーなオレンジのリップスティック(4)を重ねて、グロウな色っぽさもプラス。
「これだけだと、セクシーに偏りすぎるので、内面のピュアな部分をチークで表現。フューシャピンク(5)を頬に愛らしく入れ、バランスを取りました」(UDAさん)
柏倉 梓さん(TV局勤務)
「〝1960〜70年代の
日本映画が好き〟
と聞いて、興味が湧いた。キリッとした目元や
ふと見える勝ち気な雰囲気。
でもときに、
小動物のような
か弱くピュアな面がのぞく。そんな女性らしい強さをもった
魅力的な人です」─UDAさん
メイクアップ: UDAさん
UDA≫ メイクアップアーティスト。本誌をはじめとしたファッションやビューティページのほか、舞台のメイクプロデュースも手がける。緻密な理論とメイクの常識を覆すオリジナルのテクニックにも注目が。本企画では、街でのモデルハントから、ヴィジュアル全般のディレクションまでを担当。