映画『ハーフ』を共同で監督・制作した西倉めぐみさんが登場。
あなたに伝えたい (328)
人種や個性や考え方の違いを
容認する社会になってほしい。
西倉めぐみさん
にしくら・めぐみ プロデューサー、映画監督
撮影・武方賢治 文・井上大典
「どの国の社会でも、ハーフの人たちは区別を感じたり二つの文化の間で途惑ったり、複雑な心境を抱えています。そういう人たちを撮ることで、国籍やアイデンティティを考え、多様性や多文化の可能性を探ってみようと思ったのです」西倉めぐみさんと、やはりハーフの高木ララさんが共同で監督・製作した『ハーフ』は、日本に暮らす5人(組)の日常を追ったドキュメンタリー。日本をはじめ世界7カ国の映画祭で上映され、高い評価を得た。
日本人の父とアメリカ人の母との間に東京で生まれた西倉さんは、父親の海外転勤もあったが、アメリカに留学する15歳までの8年間は日本で暮らした。
「26歳で日本に帰ってきたとき、初対面の人に『お国はどこですか?』とか『そのお顔で日本人みたいな名前?』と言われて、違和感を感じたんです。小さい頃からまわりの子と違うという意識はありましたけれど、日本人だというアイデンティティは確立したつもりでいたので、それが揺さぶられたのは自分でも驚きでした」
ハーフにあらためて目を向けた映画は、日本の社会を見つめた映画でもある。「映画を撮って、日本の社会は想像以上に多人種で多文化だとわかりました。ただ、多人種背景や考え方の違いをしっかり受け止める社会には、まだなっていない。現実を知り、多様性のある社会を作りたいですね」
『ハーフ』ホームページ・http://hafufilm.com/ 問合せ先・info@hafufilm.com