マガジンワールド

フィリピンの被災地に多くの妊産婦がいることを知ってほしい。

あなたに伝えたい (334)

フィリピンの被災地に多くの妊産婦がいることを知ってほしい。

ノラ・ムラットさん
IPPF(国際家族計画連盟) 東・東南アジア・大洋州地域事務局長


ノラ・ムラットさん

撮影・武方賢治 文・及川夕子
「昨年11月、フィリピンの台風被災地では、病院や保健所の多くが破壊され医療提供機能を失いました。見過ごすことができないのは、被災者の中にたくさんの妊産婦がいるということ。私たちは妊産婦とその新生児のサポートをするために活動しています」

ノラ・ムラットさんが地域事務局長を務めるIPPF(国際家族計画連盟)は、被災直後からFPOP(フィリピン家族計画協会)と連携し、支援活動をスタートさせた。

「現在、被災した6つの州で活動を行っています。医療チームやボランティアの派遣、妊産婦と授乳中の女性に生理用品や衛生用品を配布する活動も行っています」

6つの州で被災した妊婦は2万4700人以上。被災地全体では26万人の女性が妊娠中、17万3000人が授乳中と言われている(※)。

「特に農村地域の家庭は貧しく、若い妊産婦も多い。清潔な水も避難所もない状況下でどうやって分娩したらいいか、出産直後の新生児をどのようにして守るかなど、保健の知識の提供も重要と考え、若いお母さんたちの教育にも力を入れています」

病気の蔓延も懸念されている。さらに被災地では女性への暴力、HIV・性感染症予防にも充分な注意が必要だ。

「私たちの活動地域をもっと広げる必要があります。被災地への関心が薄れることなく、支援が今後も続くよう願っています」



問合せ先・IPPF(国際家族計画連盟) http://jp.ippf.org/ フィリピン被災女性・妊産婦支援緊急募金(ジョイセフ) http://www.joicfp.or.jp/jp/2013/11/15/20892/