性的少数者はあなたの身近にいることを知ってください。
あなたに伝えたい (348)
性的少数者はあなたの身近にいることを知ってください。
藥師実芳さん
やくし・みか 特定非営利活動法人ReBit代表理事
撮影・武方賢治 文・井上大典
「日本にはLGBTの人が約20人に1人の割合でいると考えられています。これは左利きの人とか、血液型がABの人と同じくらいの割合なのです」
LGBTとはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字で、同性愛者や性同一性障害などいわゆるセクシャルマイノリティ(性的少数者)の総称。ReBitは、LGBTに対する偏見や差別をなくすため、教育や成人式、就活などさまざまな分野で活動を続けている。
「教育の面にはとくに力を入れています。というのも、LGBTの子どもの約3人に2人が一度は自殺を考え、そのピークは第二次性徴期と言われているからです。子どもたちにLGBTについて正しく教える必要がある。そのためには学校の先生をはじめ、教育に携わる人に正しい知識を持ってもらわなくてはならない。ReBitは生徒や先生、教育委員会などを対象に110回以上の出張授業や講演を行ってきました」
藥師実芳さん自身もトランスジェンダー。小学校6年の頃から女の自分に違和感を抱き続け、高校2年で自殺未遂もしたという。
「カミングアウトしたとき、泣き崩れた母親に『あなたが望む性別に産んであげられなくてごめん』と言われました。LGBTはニュースや海外の話ではなく、身近にいることを知ってください。多様な生き方があることを理解してほしいと思います」
ReBitのURL http://rebitlgbt.org/