新たな選択肢「スモールハウス」で自由な人生を送ってみたい。
あなたに伝えたい
新たな選択肢「スモールハウス」で
自由な人生を送ってみたい。
販売元の「YADOKARI」の共同代表、さわだいっせいさんとウエスギセイタさんは共に30代前半。それぞれ結婚し、家探しを始めたのがスモールハウス考案のきっかけだった。
「家を買ったらその場所に定住して、何千万円もの住宅ローンを返済するため満員電車で通勤し終電まで働き続ける、そんなライフスタイルは嫌だなあと思い、新しい選択肢を探し始めたんです」(ウエスギさん)
小さな家なら長年のローンに縛られることなく、家具やモノを最小限しか持たない生活になる。
「住宅費にかかるはずだったお金で家族で世界を旅したり、もっと心豊かな人生が送れるんじゃないかな」(さわださん)
土地やインフラなどの条件が整えば、週末は自然の中に設置したハウスで暮らし、平日は都会のマンションで仕事をするといった「多拠点居住」も夢ではない。彼ら自身も決まった事務所は持たず、カフェにパソコンを持ち込み打ち合わせをする、まさにヤドカリ的生活を実践しているのだ。
YADOKARIが運営するサイト「未来住まい方会議」では、世界各国のツリーハウスやモバイルハウスなど、小さくユニークな家を500棟以上紹介している。
「アメリカではリーマンショックの後、それまでの物質主義に対抗し、小さい家でシンプルに暮らすタイニーハウス・ムーブメントが起きています。北欧には夏を別荘で過ごす文化があり、ハウスづくりが進んでいる。日本にももともと禅のような、ものにとらわれない考え方があるので、ムーブメントを起こせるかも」と意欲的なウエスギさん。さわださんも「実はこのスモールハウス、偶然にも江戸時代の長屋とサイズが大体同じなんです。家が狭いと人は外に出るでしょう。ハウスが集まってビレッジ(村)ができれば、長屋のように家族や近所同士の距離が縮まり、地域にも開かれて、いいコミュニティが生まれるんじゃないかな」と構想を語る。ビレッジがつくれるような遊休地の提供をネットで呼び掛けたところ、全国各地から約80件もの申し出が寄せられたそうだ。
スモールハウス購入の問い合わせは、若い世代から高齢者まで幅広い。「3家族で1棟を共同購入し別荘としてシェアしようとか、今の家を子世帯に譲って、敷地内にハウスを置いて暮らしたいという方も」(ウエスギさん)。「僕らの予想を超える面白い利用法が出てきそう。このプロジェクトを通して皆が今より自由な住まい方を考え始めてくれれば、と期待しています」(さわださん)