大人でも「?」と「ワクワク」を忘れずに、もっと気軽に学んでみませんか?
あなたに伝えたい
大人でも「?」と「ワクワク」を忘れずに、
もっと気軽に学んでみませんか?
「花と宇宙」では物理学者らが、人はなぜ花や宇宙に惹かれるのかをテーマに対談。「喫茶去」では子どもたちがお茶を点て、茶道の奥深さを体感した。「ゆる音語り」では、参加者らがバイオリン演奏と料理を堪能しつつクラシックの歴史を学んだ。
NOTHは主に東京、大阪で学術や文化をテーマにイベントや講座を開いている。講師は多彩なジャンルの研究者たち。大学に属さず在野で活動する人が多い。
「発表の場が少ない若い人や、大学の枠にはまらないユニークな研究をしている人を応援したい。一般の人たちと交流できる自由な野原のような場をつくって、そこから新しい何かが芽吹くことを期待しています」と、NOTHを主宰する伊藤康彦さん。
始まりは、伊藤さんが、独立研究者の森田真生さんのトークイベント「数学の演奏会」を関西まで聴きに行ったことだった。
森田さんの「音楽を演奏するように数学を届けたい」という斬新なアプローチに共鳴し、東京でも講座を開きたいと5年前、NOTHを立ち上げた。
イベントの告知は主にSNSで。初めは聴衆が5人しか集まらない日もあったが徐々に反響を呼び、森田さんは昨年、初の著書を出版。伊藤さんが土を耕した〝野原〟に早くも芽が吹き出した。
講座では数学、物理など難解なテーマも多いが、参加者の年齢層は幅広く、中でも30~50代の女性が多いという。参加者同士の交流も生まれている。
「大人になってからの勉強は、資格を取るためだったり、実利を得るためのものばかり。でも人間は、何の役にも立たなくてもワクワクする物事に、一番興味を惹かれると思うんです」
会場は、蔵や古民家など古く懐かしい建物をよく使う。昔の人の精神や、おばけなどの言い伝えに伊藤さんは今、興味を持っている。
「古い時代の書物を読むと、今の常識をあっさり超えてしまう記述に出合って衝撃を受けることがあります。これからは思想や価値観をなめらかにつなぎ、新しい時代に適った試みをしていきたい」
若手講師による講座がこれからも続々展開する。
「愛響で書(愛嬌でしょ!)」
何事も自然に委ねようという「老荘思想」を書と絵画で表現する作家が、心を開放する書画の描き方を伝授。
4月17日(日)13時30分~15時30分
会場・浅草公会堂
「薬草とハーブの化学」
薬草やハーブのビタミンは? 伝統的チベット医学を学んだ講師が、化学の目線で薬草の奥深さを語る。
4月2日(土)13時30分~15時30分
会場・浅草公会堂
「13歳からの相対性理論」
アインシュタインの相対性理論を理解するための数学を計算遊びを交え解説。文系の人にもおすすめ。
3月26日(土)10時~13時
会場・東京学芸大学
「大人のための数学講座」
伝説の数学者、岡潔の著作を読み解く連続講座。今回は岡潔選集『数学する人生』刊行記念トークイベント。
3月19日(土)14時~17時
会場・ROUTE BOOKS(東京・上野)